奄美大島へ旅行を計画している方や旅行先に選ぼうとしている方へ、奄美大島を最大限楽しむために知っておきたい事前知識をまとめました。
自然が堪能できる奄美大島は沖縄旅行とはまた一味違った観光スポットですが、奄美大島の旅行が本当に求めている旅行先かどうかも含めて参考にしてください。
2021年9月に奄美大島へ初めて旅行をし、そこで得た体験や経験から奄美大島の旅行を楽しむために知っておきたい28項目をまとめました。
奄美大島について
■奄美大島は海と山と風景が楽しめる旅行先である

奄美大島と言えば綺麗な海と白い砂浜、展望台から眺める風景は世界自然遺産に認定されるほど、手付かずの自然が残る島です。
まず初めに奄美大島は沖縄観光とは全く異なる性質の島であることを知ってください。沖縄と同じような環境を想像して行くとたぶん失敗します。
那覇にある国際通りのような繁華街は無く、にぎやかな場所はかなり少ないです。なのでそういった場所を求める場合は奄美大島は物足りないと思ってください。
奄美大島の観光は自然を楽しめる方にはとても面白い旅行先だと思いますので、行く目的をしっかり見定めて旅行先に選ぶと良いでしょう。
ネットに「奄美大島はつまらない」とのコメントも見受けられますが、これらは奄美大島の見どころである自然を求めた観光目的ではなかった可能性が高いです。
■奄美大島は思った以上に大きく山深い

実は奄美大島は非常に広大で、沖縄本島の5分の3もの面積があります。初めて奄美大島に訪れる方は想像以上の大きさです。
さらに、島のほとんどは山と谷と森に囲まれており、道路も山を上ったり下ったりするだけでなく蛇行しているため、島の横断は意外と大変です。
山の標高は高く、沖縄本島にある最高標高は503メートルに対し、奄美大島は694メートルもあります。
また、島の南側エリアは加計呂麻島(かけろまじま)など、陸続きになっていない場所もあり、まさに秘境です。
奄美大島を旅行先で検討している場合は、観光スポットの場所を把握し滞在日数を決める要素としてください。
■奄美大島の行き方
東京から奄美大島へ行く場合は、直行便があります。
羽田 ⇔ 奄美大島 | JALにて直行便あり |
成田 ⇔ 奄美大島 | ピーチエアラインにて直行便あり |
上記は1日1便程度の就航となります。その他にも福岡、大阪、鹿児島空港を経由して奄美大島へ行くことができます。
■奄美大島の観光にはレンタカーが必須
奄美大島は思った以上に広く、移動手段にレンタカーは必須です。島が広い分、島全体に観光スポットが点在しています。
奄美ブルーと呼ばれる美しい海岸、標高のある場所から見える展望台、山と谷の中心にある滝や泉など、自然に特化したスポットが魅力です。
奄美大島は山を登ったり下ったりする道路が多くアクセルを踏み込まないと登り切れない山道も多かったです。
車移動も結構負担になるので軽自動車のレンタカーは極力避け、馬力のある車種を選びましょう。
私は奄美大島に5日間滞在して、走った総走行距離は770kmでした。
■■関連記事
■ガソリン代が高く、夜間は閉まっているスタンドが多い
奄美大島は九州や本州と比べてガソリン代が高いです。本州の平均より10円ほど高く、燃費の性能がレンタカー選びの重要な要素になるでしょう。
ほとんどのガソリンスタンドは夜21時までの営業です。夜間に車で外出する場合はガソリンの残量に気を付けてください。また奄美市に一部21時以降も営業しているスタンドを見かけることがありますが、料金が割高です。(夜間に特別に営業するから料金が高いのは許してね、という感じです。)
■奄美大島の道路事情

奄美大島は島を縦断するように国道58号線が走っており、その他の主要道路は海岸線に沿って道が続いています。
制限速度は時速50キロくらいとなり、そんなにスピードを出すことができません。むしろ道が蛇行しているため、そもそもそんなに速度はでません。
高速道路や有料道路は無く、基本的には一般道で移動になります。街中の道や町へ続く幹線道路は時間帯によっては一部渋滞が発生しますが、全体的に車通りは少なく、運転は難しくないでしょう。
ドライブするなら海沿いを走る道は展望エリアが点在しているのでおすすめです。
■奄美大島は雨がよく降る

奄美大島は亜熱帯気候で年間降水量が高く、観光シーズンの初夏から秋にかけても湿った空気が流れ込み、雨が多いですが、年間通して晴天率は夏のシーズンが高いです。
旅行前に確認した天気予報では奄美大島は毎日雨マークがついており、1日中雨が降り続くとばかり思っていましたが、実はそうではありません。
1日中雨が降り続くというよりかは、通り雨のように断続的に雨が降るイメージです。 この時期に旅行に行く場合は、少雨に濡れても平気な服装が当たり前の感覚になります。
また8月頃からの 台風シーズンはかなりの確率で台風が奄美大島を直撃するので、常に動向を確認することと、フライトが欠航になることを想定しておきましょう。
実際に旅行中に何度か雨が降りましたが、たいていは30分以内に雨雲が抜けてその後は晴れていることが多かったです。
オフシーズンの12月から2月頃は低気圧の影響で雨や曇の日が多く、ぱっとしない時期となります。
■奄美大島の夏は蒸し暑い
奄美大島の夏は高温多湿で30度を超えるくらいですが東京よりも暑苦しく感じることでしょう。
とにかく湿度が高く、車の冷房が天国に感じるほどです。水分はこまめに取るだけでなく、ボトルのお水は最低でも1日1本は持ち歩いて行動しましょう。
■奄美大島の宿泊施設について
民宿から小規模の宿泊施設が多いです。外資系ホテルの参入は沖縄と比べるとまだまだ少ないですが、リゾート宿泊施設はあります。
宿泊施設の9割は奄美大島の北部エリアから奄美市付近にあります。南部エリアの『瀬戸内町』付近にも宿泊施設がありますが、奄美大島の宿泊拠点はほぼ北部エリアで探すことになるでしょう。
■奄美大島を観光するなら最低5泊は必要
奄美大島は観光スポットが島中に点在しているため車の移動が掛かります。各スポットを端から端まで巡ると最低5日は掛かります。効率の良いルートを確認して行先を決めましょう。
奄美大島の観光に関して
■標高のある場所から景色が見える展望台がたくさんある

奄美大島は全体的に標高が高く、海岸が断崖絶壁になっている場所が多くあります。そのため、島中に展望デッキや展望台がたくさん点在しています。
島中を車で巡り展望エリアを全て制覇することは至難の業でしょう。どの場所も100メートル以上高い場所となっているので、時間に余裕があれば滞在中に一ヵ所は行ってみましょう。地平線まで続く壮大な風景を眺めることができるでしょう。
■展望台へ行く際はハブ対策を

内陸にある展望台は生い茂った藪の中を進む道(トレイル)があります。ハブに噛まれないようにできる限り長ズボンを履き、サンダルなどの軽装は避けましょう。
また行く際は必ず日中に行きましょう。夜間はハブに遭遇する確率が高くなるので夜間の展望台はできる限り控えましょう。
展望台へ続く道の手前には画像のようなハブ除け対策の棒が自由に使用できます。小道の両サイドを叩いて音を出しながら進むと、ハブが警戒して近づいて来ないようです。
棒がない場合はどのような手段でもよいので出来る限り音を出しながら安全に進んでください。
■蚊対策を忘れずに
奄美大島は蚊が多いので蚊の対策をすることは楽しく旅行をする上で重要なポイントです。湿度が多くどの場所にも蚊はいると思ってください。
私は奄美大島で夕日鑑賞をしましたが、鑑賞中に蚊に刺されて集中できませんでした。この経験から蚊よけスプレーや蚊取り線香を携帯しながら行動したいと思うほどでした。
奄美大島は蒸し暑く肌を露出したいところですが、熱中症対策を取りながら蚊に刺されにくいように肌の露出を避けることを勧めます。
■奄美大島は日の出が見やすく、雲との風景が素晴らしい

いつもより早く起きて奄美大島の日の出鑑賞はいかがでしょうか?奄美大島の空は雲が多く、太陽が雲で隠れてしまうこともありますが、雲の多い朝焼けの風景となり奄美らしさを出してくれます。
奄美大島は東側の海岸エリアが多く、どこでも日の出を見ることができます。朝は夕日よりも観光客が少なく朝日の撮影も人がいない風景を撮ることができるでしょう。
私のおすすめの日の出スポットは『あやまる岬』の展望エリアです。駐車場があり展望エリアまでの距離が短く、明け方でも安全に行くことができます。
■奄美大島の夕日も格別

奄美大島は夕日が綺麗に見えるスポットがたくさんあり、旅行の行程に組みたい毎日のアクティビティです。太陽が沈む西側は島の形の添って道路が走っており、道路沿いから海が一望できるビュースポットが多いです。
さらに各ビュースポットは駐車スペースがあるので手軽に夕日鑑賞ができるでしょう。
私は奄美大島の北側エリア(竜郷町:たつごうちょう)に宿泊していました。この場所からだと少し距離がありました。夕日後に奄美市あたりで夕食を取るような流れで工程を組むと効率が良いかと思います。
■奄美大島の星空観賞は場所を選ばない

奄美大島は奄美市以外は大きな街明かりが少なく、ほぼ全域で満天の星空を見ることができます。夜に色々な場所に行き、星空を眺めましたが星空の風景はどこも似たような感じになります。
夜に安全に星空観賞をする場合、宿泊施設から歩いて行ける場所か、あるいは日の出や夕日が見える展望エリアが安全です。
■奄美大島の海で出来ること
海水浴やシュノーケル、ダイビングなどは奄美大島の北部エリアで楽しむことができます。北部エリアは湾になっている海岸が多く、波がとても穏やかで小さなお子様でも十分楽しめます。
全体的に浅瀬が多く、数十メートル沖に行くと珊瑚が広がり、そこに群がる多様な海洋生物を間近で見ることができるでしょう。
奄美大島は海の透明度が高いいことで有名で、浅瀬が多くサンゴが綺麗なことから『奄美ブルー』と呼ばれいます。
奄美大島にはダイビングやシュノーケルのショップが盛んなので、海に入れる時期に行く場合は体験すると良いでしょう。
■海岸に行くなら干潮前後の時間帯がおススメ
海岸に行く場合は、干潮前後が綺麗に見えます。色々なビーチや海岸へ行き感じたことがありました。それは干潮前後の時間帯の海岸は適度な砂浜や一部の浅瀬が見えて全体的に風景が綺麗だということでした。
逆に満潮付近は砂浜が少なくのっぺりした海の風景で写真映えがしません。
満潮・干潮問わず、潮位は毎日数十分ずつ遅くなります。特にマリンスポーツを楽しみたい方は潮位を調べることは旅行の時期を選ぶ重要な判断になります。
奄美大島の潮位を調べたい場合はここ(気象庁のサイト)に行き、日程を入力すると簡単に調べられます。
■海は沖縄よりもきれいで人が少ない

奄美大島に行ったら海は入るべきです。沖縄と違い観光客がまだ少な目なので、海が濁らず珊瑚も残っており総合的に海が綺麗です。
ただし海岸は海水浴を安全にするネットや防波堤などが無いためマリンアクティビティをする際は十分気を付けて楽しんでください。
■ ビーチで遊ぶ際にあると便利なモノ
- ビーチタオル: 大きめのタオルがあると便利です。基本的には宿泊施設で無料で貸してくれるところがあります。
- マリンシューズ: 奄美大島はサンゴが多く、干潮時には海底がむき出しになっているので足を傷つけないためにも必須です。宿泊施設で借りられる場合もあります。
- ペットボトルに水を入れて携帯する: ビーチに公共シャワーが無いところがあります。その場合空いたペットボトルに水を入れておくと、海から出た際に頭から浴びて少しでも塩水を洗い流すと便利です。
■ビーチはシャワー設備&ライフガードなし
海岸もできる限り自然に手を加えないように努めています。そのためビーチにシャワー設備がない場所が多いです。更にライフガードは常駐していないため、海辺で遊ぶ際は十分気を付けて滞在しましょう。
■ 南側エリアは漁港があり、養殖のマグロが美味しい

奄美大島に観光で訪れるまで知らなかったのですが、養殖のマグロが有名です。特に南側エリアは漁港が多く、関連して海の幸を食べられる食事処が多いです。
私は『せとうち海の駅』にある『瀬戸内漁港組合うみんちゅ食堂』で養殖マグロ丼を食べました。とても美味しくて感動しました。養殖のマグロが天然モノ以上に美味だったので、養殖のイメージががらりと変わりました。
その他、奄美大島の特徴と楽しむ為のヒント
■食事処は早めに済ませておく
レストランによっては店仕舞いが早いところが多いです。個人経営をしているレストランはラストオーダーが比較的早めのところもある為、7時頃には入店するイメージで早めに行動しましょう。
■クレジットカードが使えるお店が多い
レストランやお店はほぼクレジットカード対応でした。現金しか対応していないお店は減ってきているように感じますが多少は所持していると安心です。
■奄美大島は圏外になる場所がある
町の中は問題なく繋がりますが、奄美大島の内陸は深い山と森に囲まれており、一部携帯電話が圏外になる場所もありました。キャリアによっては通信可能エリアが異なりますが、山奥に行く際は念のため気を付けてください。
■食事はスーパーやコンビニの存在が非常に大きい
コンビニやスーパーで夜食を買って済ませることが多くなると思います。奄美大島は実はそんなにレストランが充実していません。また夜も意外と早く閉まってしまうお店も多いです。
そんな部分を埋めてくれるのがコンビニやスーパーです。奄美大島のコンビニは地元の食材を使ったおにぎりやお弁当が充実しています。
観光で色々なスポットを巡った際に、戻りが遅くなることがあります。いざレストランに行ってみる満席や順番待ちをすることも。そんな時はコンビニやスーパーで夜食を買って部屋でゆっくり召し上がりましょう。
■奄美大島はスーパーが少なく、お土産を買える場所が限られている

奄美大島は商業施設が限られているので特に北部エリアに滞在する場合、行く場所は限られるでしょう。
北部エリアで一番大きなスーパーマーケットは『ビッグⅡ(ツー)』という地元に根付いた大型のスーパーです。
日用品から食料まで充実しており、観光客もほぼこのお店を訪れるため、一角にお土産コーナーが充実しています。奄美のお土産をお求めなら、ビッグⅡがおススメです。
ビッグⅡ奄美店は夜20時に閉まりますのでご注意ください。
■世界自然遺産に登録されたことの今後の発展
奄美大島が世界自然遺産に認定されたたため、今後永続的に島の保善が維持されます。そのため、今後新たに土地が開発されたりすることが難しくなり、新たに大規模な商業施設の開発は難しくなるのかなと感じます。
まとめ
奄美大島はとにかく山や海に囲まれた自然の豊かな島で、日本にこんなに自然が残っている場所があるんだと感じたました。
日の出を見て、ホテルで朝食を食べ、車で海に行って、展望台で奄美大島のパノラマを眺めます。
夕日を見ながら食事をし、夜は満天の星空を見て眠りにつきます。島の時間の流れと共に過ごす奄美大島の観光は訪れる観光客を楽しませてくれるでしょう。
2021年に世界自然遺産に認定されましたが、これから観光で行く人も島の環境には十分に配慮して楽しんでください。
■■関連記事