レンタカーで『マウナ・ロア天文台』に行きました。標高3,400メートルにあるこの場所はマウナ・ケア山頂に次いで2番目に高い標高です。今回、『レンタカー』でどうやってマウナ・ロア天文台まで行き、そしてどんな『夕日-サンセット』と『満天の星空』を見ることができたか、その過程と旅行記を紹介します。
※2022年11月27日に38年ぶりにマウナ・ロア山が噴火した影響で通行ができない可能性があります。
■ハワイ旅行4日目の概要
- パラダイス・ヘリコプターのオプショナルツアーが雨天で中止
- Big Island Candiesでショッピング
- Panda Expressでランチ
- パラダイス・ヘリコプターツアーを再挑戦
- マウナ・ロア天文台へ車で向かう(夕日&星空観賞)
- ヒロのホテルに戻る
その他『キラウエア火山』のヘリコプターツアーの体験談なども紹介しています。
ヘリコプターのツアーに参加、天候不良で断念
(9:30) ハワイ島の火山活動をヘリコプターに乗って間近で見れる『パラダイス・ヘリコプタース』というツアーがあり、事前に申し込んでいました。ハワイ島は火山活動が活発で、上空から見えるツアーは人気です。
このツアーはHILO国際空港の敷地内から飛び立ち、40分ほどのフライトを楽しむことができます。車は空港内のセルフパーキングに停めてカウンターに向かいます。
■雨でツアーが中止に
この日は朝からずっと雨で土砂降りの状態でした。とりあえず行かないことには始まらないということで、ツアーのカウンターに行きました。すると、開口一番で言われたのが、雨でツアーが催行できない可能性があるということでした。
私たちが参加するひとつ前の時間帯のツアーは中止になっていました。雲の高度が低すぎてヘリコプターが飛べなかったようです。
『パイロットの最終判断待ち』ということでしばらく空港内で待機していましたが、残念ながら天候は回復せず、安全上の理由で飛ぶことができず中止になりました。
雲の位置が低いと前方が見えず危険だそうです。よく考えてみたらヘリコプターが雲の中だと当然地上の風景は見えないですしね。
ということで、カウンターで払い戻しの手続きか、別の日程でツアーを組み直すかの判断となりましたが、次の日はマウイ島へ向かうため、払い戻しを選択しました。ここで勉強になったことがあります。天候によってツアーが中止になることがあるため、ツアーを確実に参加したい場合は天候不良を想定し、翌日以降に調整できるようにしておくと良いでしょう。
ビッグアイランド・キャンディースで買い物
(11:00) 気を取り直し、空港近くの『Big Island Candies』へクッキーを買いに行きました。
オアフ島はホノルル・クッキー、ハワイ島はビッグアイランド・キャンディー(クッキー)というほど、ハワイで有名なクッキー専門のギフトショップです。ここで大量にお土産を購入しました。このショップの良いところはクッキーやチョコレートの試食をして購入できます。
種類がたくさんあるためかなり迷いますが、試食ができるため味を確かめて自分の気に入ったクッキーを購入することができます。ここへは2度目の訪問になりますが、3年ぶりの来店で見たことのない新製品もあり充実していました。
■Big Island Candiesの情報
- 営業時間:9時~17時(月~土)/10時~16時(日)
- 住所: 585 Hinano St. Hilo, HI. 地図(←クリック)
Panda Expressでランチ
クッキーを購入してから、Panda Expressでランチをしました。ヘリコプターツアーが取りやめになり、旅の行程が変わってしまったため、食べながら次の予定を考えることにしました。
看板メニューのオレンジチキンは絶対に外せませんね。チキンと一緒に食べるチャーハンがいいアクセントになります。ものすごい量でしたがすべて完食しました。
ヘリコプターツアーの再開
(14:00) おや?Panda Expressを出たら、天気が良くなっているじゃありませんか。雲の隙間から青空が出てきたため、ヘリコプターツアーが再開するのではと思い、ツアー会社にダメ元で連絡してみました。
すると、14:30からのフライトで4名の空きがあることが判明!すぐさま空港に向う旨伝え、車を走らせました。まさかの急展開にテンションが上がりました。
天候が解消されたようで、無事にツアーが再開となりました。簡単な注意事項のブリーフィングを受け、ヘリコプターに搭乗しました。ヘリコプターの荷重バランスが飛行に大きく左右されるため、事前に体重を測り、指示に従いながらヘリコプターに乗り込みます。
ヘッドセットとマイクのテスト、シートベルトの安全確認を行い、約40分のヘリツアーが始まりました。
ヘリコプターツアー開始!2018年5月に噴火した溶岩や地形変化を楽しむ
■溶岩は大地を飲み込み地形が変わってしまった
2018年の5月に発生したキラウエアの溶岩噴出でLeilani Estates地区が溶岩に飲み込まれ、海にまで達しました。Laze(レイズ)と呼ばれる塩酸のガスと火山ガラスの微粒子が交じりあった蒸気が周辺に悪影響を及ぼしていました。
溶岩は海岸線を埋め尽くし、地図を書き換えるほど地形が変わってしまったそうです。海岸付近の海の色が硫黄の影響で変色しています。この影響でウミガメの個体数がかなり減ってしまったとパイロットが言ってました。
流れ出た溶岩が大地を覆いつくしています。道路も溶岩で埋もれてしまい、住人も非難を余儀なくされたようです。
■区画されたマカダミアナッツ農園
区画に分かれたマカダミアナッツ農園です。海風から農園を守るために背の高い木を植えて防風林と区画の役割を担っております。
ハワイ島はハワイ諸島の中でも一番新しい島で、溶岩の大地が多く残っておりまだ土壌がしっかりと育っていません。溶岩は25,000年経たないと農作物に必要な土壌が形成されないそうです。風化した溶岩に微生物が侵食して土壌を造るまでに膨大な年月が掛かります。
ハワイ島の火山活動は今もなお活発で、一度溶岩に埋もれてしまうと固まった溶岩を取り除くことは非常に困難で、復旧にはしばらく時間がかかります。
ヘリコプターはHILOの中心に戻ってきました。湾沿いに宿泊施設が見えました。ヘリコプターツアーは多少揺れることもありますが、安全なフライトでした。時間に余裕があればこのツアーはお勧めです。諦めずに再トライして正解でした。
車でマウナ・ロア天文台に自力で行く
(16:15) 夕日と星空を見るために、HIROに滞在中のホテルからサドルロードを走り、『マウナ・ロア山』に中腹にある『マウナ・ロア天文台(観測所)』に行きました。
マウナ・ロア天文台(マウナ・ロア観測所)まで車で行くことができます。観測所は標高3,400メートルの場所にあり、富士山9合目と同じ高さになります。舗装はされておりますが道が蛇行しているため、車高のある4WDやSUVが推奨されます。
道は細く、対向車とすれ違う場合はお互いに脇に寄ってゆっくりと牽制しなければならないほどです。道路の両脇は鋭利な溶岩がむき出しになっているため、タイヤのパンク懸念されます。そういった状況もあり、この道の走行はレンタカーの保険適用外になります。
行く場合は完全に自己責任となります。マウナ・ロア天文台に行く場合はできる限り4WDかSUVで行ってください。
別の記事にレンタカーは4WDやSUVタイプがお勧めの理由を紹介しておりますので下記参照ください。
マウナ・ロア天文台(マウナ・ロア観測所)までのルート
HILOまたKONAどちらでも、サドルロード(Saddle Road)を必ず通ります。KONA側からアプローチする場合は右折、HILO側からは左折して『Mauna Loa Observatory Road』に入ります。Google Mapで日本語検索『マウナ・ロア天文台』と打つか、英語で『Mauna Loa Observatory』と入力すれば目的地まで道案内してくれます。
<各方面からの所要時間>
- ヒロから車で1時間20分の距離
- ワイコロアから車で1時間40分の距離
- カイルア・コナから車で1時間45分の距離
- ハワイ火山国立公園から車で1時間50分の距離
マウナ・ロア観測所へ行く際の持ち物リストと準備
マウナ・ロア天文台(マウナ・ロア観測所)は3,400mの高地でかなり寒いです。夏の昼間でも気温は10度を下回り、夜は氷点下になります。観測所付近は風が強いため、防寒対策はしっかり整えてむかってください。
- 1人あたり2本程度のボトル水: 脱水による酸欠助長の緩和
- 風を通しにくいウィンドブレーカーまたはダウンなどの防寒着: 夏の時期でも侮るなかれ
- カメラが操作しやすい薄手の手袋: 大事なカメラを手の震えで落とさないため
- お菓子やエネルギーとなる食料(ある程度): 寒さと高地順応で結構エネルギーを使います
- ガソリンはできる限り満タンで向かうこと: 長期滞在の場合は燃料から暖房を取るケースを想定
- 足底がしっかりしている靴(サンダルは絶対NG): 溶岩で足を切らないため
- 酸素ボンベ: 心配な場合
私は使い捨てカイロをもっていきましたが、酸素が薄い高地ではカイロの熱反応が弱く、そんなに温まりませんでした。とにかく荷物にならない範囲でできる限り暖かい装備で向かってください。
今回はHILOからサドルロードを目指しました。舗装された道路は運転しやすく、進む毎に標高がどんどん上がっていきます。気づいたら2,000メートル付近まで登っていました。
しばらく進むとHILOを覆っていた分厚い雲が抜けてきました。少し丘高い山(上記写真の左側の山)を目印に左折し、Mauna Loa Observatory Roadに入ります。
Mauna Loa Observatory Roadの道は対向車線がないため、対向車が来た際はお互いに道を譲り合いましょう。レンタカーは4WDかSUVが理想です。
写真奥にマウナ・ロア山が見えるはずが、分厚い雲で山が隠れていました。このまま進んでも雲の中の可能性もありましたが、望みを捨てずに観測所を目指しました。
レンタカーを借りる場合なぜSUVや4WDがお勧めかは関連記事:レンタカーは4WDかSUVを選んだほうがよい理由を参照ください。
標高2,300メートル付近で、分厚い雲の真下まで近づいてきました。マウナ・ロア天文台付近は雲の上にある確率が高く、それを信じてひたすら観測所を目指します。
対向車は一台もいません。そもそもここを訪れる人はかなりリスクの高い場所なのでほとんどいません。万が一事故になると誰も助けてもらえないでしょう。このあたりで一度車を降りてみましたが少し酸素が薄い感じがしました。富士山5合目の吉田登山道入り口付近と同じ標高です。
注意: 車で一気に標高の高いところを目指しているため、体が高度に慣れていません。高山病の危険が伴います。そのため、車の走行はゆっくり走って少しずつ山を登っていくように心がけてください。できる限り急に体を動かすことは避けてください。
■最初の建物が見えたら道なりに右折して進む
しばらく進むと上の写真のような建物が見えてきます。道なりに右に進んでいきます。この時点標高は2,600メートル付近となり、分厚い雲は抜け始めます。
建物を曲がってから10㎞以上、勾配の上下が厳しい道を進んでいきます。マウナ・ロア山は緩やかなドーム状に形成されているため、ここからでは頂上は見えません。山の堆積が大きすぎでどこが頂上か判別が難しいくらい緩やかな山だからです。
ひたすら進んでいきます。標高も3,000メートル付近になり、若干空気が薄くなってきました。この辺りから高山病になりやすくなるので、激しい運動は避けてください。すぐに酸欠になります。同乗者で少しでも体調の優れない方がいれば無理はせずに下山してください。
Uターンする際は気を付けてください。道路から外れると鋭利な溶岩でタイヤがパンクする可能性があります。戻る際はできる限り道路からはみ出ないように気をつけください。
数名で乗車している場合、狭い道でUターンをする際は同乗者に誘導してもらい、道路周りの鋭い溶岩でタイヤがパンクしないように注意を払ってください。
雲の間からマウナ・ケア山が見えてきました。まだ雲は高い位置にありましたが日の入りと同時に雲は下界に沈むので、それを信じてひたすら向かいます。観測所まであと400メートル程標高が上がるまで道を進んでいきます。
道路に沿って電柱が見えますが、マウナ・ロア天文台(マウナ・ロア観測所)まで続いており、電柱がなくなる場所が天文台の終着場所です。18:00間際で太陽がだいぶ下がってきました。
マウナ・ロア天文台(マウナ・ロア観測所)へ到着
マウナ・ロア天文台(マウナ・ロア観測所)は霧に覆われていました。ここは標高3,400メートル。富士山で例えると9合目付近です。かなり肌寒く薄手のダウンでも長居ができないくらいです。日没まであと20分。このまま太陽が見えないか心配でした。
天文台からマウナ・ロア山頂までトレイルが続いています。観測所の手前に駐車スペースが6台くらいあり、そこに車を停めて歩いて頂上を目指します。この日は車は1台も停まっていませんでした。
しかもそのトレイルが先日の噴火の影響で一時的に閉鎖しておりました。そのため簡易トイレも撤去されており大誤算でした。
トイレがない。。
しばらくすると西側が少し晴れてきました。気温がさらに低くなり、雲が山の斜面に沿って下り始めました。
【夕日鑑賞】3,400mのマウナ・ロア天文台から見た雲海に沈む夕日
待ち続けた甲斐がありました。雲が沈み始め、太陽が顔を出してきました。マウナ・ロア天文台は方角的に太陽が沈む西側が見える場所に立っているため、天文台付近から夕日が見えると予測しておりました。
9月の旅行でしたが太陽が沈む位置を事前に調べていて証明されました。仮に7月、8月に行く場合は上の写真より太陽が右側に沈むので夏休みシーズン中はここから夕日が見えます。マウナ・ロア天文台付近は誰もおらず完全にプライベートで夕日鑑賞ができました。
登ってきた道です。後ろにはうっすらとマウナ・ケア山が見えます。山全体が黄金色に染まってきました。
無事に夕日を見ることができました。車で時間をかけてここまで来た価値はあったと思います。マウナ・ケア山頂で夕日を見るツアーに後日参加する予定ですが、それと同じくらいここはよく見えました。
【星空観測】絶景のプラネタリウム、3,400メートルから見たマウナ・ロアの星空
(19:20) 日が沈み、星空が見えてきました。日の入り後は雲がほとんど消え去り、高い標高が有利に働きました。
日没間際と夜の中間の風景です。刻々と色合いが変わり、宇宙に手が届きそうななほど空が澄み切っていました。この場に立ち会えたことに感謝です。天文台のあるこの場所はやはり星がきれいに見えました。
星空は標高が高ければ高いほど好条件となります。気軽に行ける場所ではありませんが、車で自力で行ける最高地点はここくらいだと思います。
マウナ・ケアは自力で山頂まで行けますが、日没後は天文台の観測のため下山をしなければなりませんが、ここは大丈夫です。あまりにも空を遮るものがないため、道路に寝そべりながら星空を眺めました。
衛星写真を見て改めて感じましたが、地図上で見るとかなり標高の高い場所に来た事がわかります。おそらく今回は運が良かったのかと思います。天候が悪いと強風や落雷で大変危険な道です。
一般的にはこの道はリスクが高く観光スポットとしては推奨できないため、行く場合は本当に気を付けてください。
4日目の車での移動距離:
約100マイル(160 km)