長野県の立科町は蓼科山のふもとに広がる田園の豊かな田舎町です。
田植え時期の5月上旬から6月上旬までの1か月間は水面が鏡のように反射し、見事な田園風景が広がります。
その時期に合わせて水面に反射する星空を撮影しに立科町に行きました。
星空が田園の水面に反射する
立科町は5月のゴールデンウィーク明け頃に田植えを行います。
田植え直後の5月中旬から6月上旬までは稲がまだ成長していないため、水面が鏡のようになります。
風が少ない穏やかな夜は星が反射し幻想的な風景が広がり、この時期特有の光景が楽しめます。
この時期をピンポイントで狙い星空を撮影しました。

カメラ: Nikon D750 レンズ: TAMRON SP 15-30mm f/2.8 焦点距離: 15㎜ ISO: 3,200 露光時間: 30秒 f値: 3.2
2017年6月上旬に撮った写真です。TAMRON SP 15-30㎜のレンズで星空を試し撮りした1枚です。
田植えが終わり稲が成長してきた田園は少し緑が増えてきます。
深夜帯の時間で天の川が西に沈みかかる田園は水面が反射しノスタルジックな光景になります。

田園にもう少し近づいて撮りました。稲の隙間の水面に反射した星が写り込んでいました。
これ以上稲が成長すると水面が見えなくなり、反射した星空風景が拝めなくなります。
田んぼが段になっていて、後ろには小さく蓼科山が見えます。
水面が反射した写真を撮る場合、5月上旬から中旬頃が一番良い時期となります。
その時期は田植え前に水を張り、土壌を慣らす時期があるので完全に水面が鏡のようになります。

夢中で写真を撮っていると明け方が近くなり空が青くなってきました。天の川も徐々に薄くなり始め、さすがに身体も冷えてきました。
6月上旬と言えど立科町の明け方の気温は10℃以下となり、長時間の撮影は身体に応えます。
この時期は湿度も上がるのでレンズの結露対策をしないとレンズが曇ってしまいます。
立科町の田植え直前の星空風景
5月上旬に再び立科町を訪れ、水が張ったばかりの田園前で星空撮影をしました。


まだ田植えをしていない直前は大きな鏡のようになり、風が穏やかであれば反射します。
多少ですが水面に星が写り込む写真が撮れ、いい雰囲気の写真が撮れました。
風景全体が鏡のようなりこの時期はかなり幻想的な光景になります。
立科町は多少街灯の光が目立ちますが、至る所に田んぼがあるので、どの場所からもこのような星空風景を撮ることができます。
田園に反射する星空写真を撮るために必要な予備知識とは?
立科町に限ったことではありませんが、星空と田園の水面に反射する星空は田植えの限られた時期でしか見られない貴重な風景です。
どのタイミングが適切な時期かまとめました。
立科の田植えの時期は?
それはゴールデンウィーク前後の時期です。
稲作農家さんによって田植え時期は若干ずれ込みますが、ゴールデンウィーク前の4月下旬頃に田んぼに水を張り始めます。
実際の田植えはゴールデンウィーク明け頃より行なわれ、5月中旬過ぎには田植えが完了しています。
土壌を慣らすため、水を張ってから約1~2週間が稲の無い状態の田んぼが続き、鏡のような光景が見れるチャンスです。
月齢の時期のみ注意し水面が張った直後で新月の前後がタイミングよく重なるかどうかがカギになります。
2028年までの5月1日の月の明るさをまとめました。
年 | 月の明るさ |
---|---|
2024 | 比較的好条件 |
2025 | 比較的好条件、5月2週目からは深夜帯は月あかりが無い |
2026 | 満月が近く、5月2週目から月明りの影響を受けにくい |
2027 | 好条件でほぼ新月付近 |
2028 | 夜間に月は出ず好条件 |
月の出の細かい内容は「てんきとくらす」のサイトを利用すると便利です。
いつまでこの風景を見ることができる?
田園で水面が反射する光景を見ることができる時期は6月上旬頃までです。
田植え直後は稲がまだ小さく、6月上旬ごろまでは水面の反射を見ることができます。
鏡のような田園風景は望めませんが、それでも水面に反射する星空風景を撮影することはできます。ゴールデンウィーク明けの週末なども良い時期かと思います。
撮影時の注意点は?
まず、田んぼに落ちないように気を付けてください。夜は暗くなり、田んぼ付近の道路やあぜ道は足場が悪いので気を付けてください。車で近くに行く場合も同じです。車ごと田んぼにダイブしないようにしましょう。
5月、6月の夜はかなり冷え込みます。防寒対策はしっかり行い撮影を楽しんでください。
昼間のロケハンを入念に
日中にロケハンをし、目ぼしい場所を探しておきましょう。夜に田んぼ周辺で撮影場所を探すのは危険なのと意外と大変です。昼間のうちに撮影風景をさがし入念に準備しておきましょう。
カメラレンズの曇りに注意
初夏の夜は結露しやすい環境です。田園周辺はは水が多く湿度があります。5月や6月は温度差が激しいのでレンズが曇らないように気を付けてください。
レンズを温めて結露を防止するヒーターを買っても良いですが、レンズに使い捨てカイロを入りつけ、タオルで覆い、ゴムバンドを付けるだけでレンズの曇りや結露を簡単に防ぐことができます。
立科町へのアクセス方法
立科町へは東京から高速道路使って2時間30ほどで行くことができます。東京からは関越自動車道で上信越自動車道に入り、佐久平で高速道路をおります。関越からなら、週末割引で片道3,150円です。高速道路を降りたら立科町まで下道で30分ほどの距離となります。
宿泊施設は?
立科町にはビジネスホテルがありません。山の上の方に行けばホテルやペンションがあります。ビジネスホテルを探す場合は佐久市または上田市まで足を運ばないとありません。不便ではありますが裏を返せば星空もきれいに見えるほど自然が豊かな場所ということです。立科町で星を撮る場合は車中泊が一番気軽かもしれません。コンビニはあります!
まとめ
田植え時期である5月から6月頃の立科町の田園風景は風情溢れる景色が広がっています。その時期に撮影する星空と田んぼの水面に反射する星空はこの時期限定で唯一無二の風景です。夜間は冷え込むので防寒対策とレンズの結露防止対策を十分に行ってください。また日中のロケハンと月明りの状況を見定めることも大切です。是非この時期に田んぼと星空の風景写真を撮りに立科町を訪れてみてください。
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