#01 Starry-Sky-Photo-星空撮影

蓼科でお勧めの星空スポットを検証|女神湖中心とその周辺にある星空スポット6カ所

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長野県の中部にある蓼科に女神湖という人工湖があり、近隣エリアを含めて満天の星空がよく見えます。

意外と知られていませんが、都心から2時間半しか離れていないにもかかわらず、様々な条件が重なり星空観測や撮影に最適な環境があることがわかりました。

この記事では女神湖を中心とした星空スポット6カ所と星空の風景を写真と共に紹介します。

長野県の蓼科が星空観測に最適な環境である理由

蓼科は様々な理由から星空観測に適した条件がいくつも揃っています。

  • 周辺の光害が少ない
  • 標高が高い
  • 晴天率が高い
  • 空気が澄んでいる
  • 夜空が見える範囲が広いエリアが多い
  • 星空観測に必要な駐車スペースが豊富にある
女神湖の衛生写真
図①:女神湖がある位置 *Google Earthの画像を転用

上記の条件から蓼科がなぜ星空観測に優れているか理由をまとめました。

理由①: 光害となる大きな街から離れている

女神湖周辺は大きな街から離れており、山脈に囲まれているため光害が少ないです。

光害とは人工の光による撮影障害のことで、星空撮影で余分な光が写り込んでしまう邪魔な存在です。この光害によって星空風景に白飛びやフレアが発生しますが、このエリアは比較的光害が少ない場所なのです。

図①の地図を参照いただくと、女神湖を中心に東側は蓼科山や甲武甲信岳、南側は八ヶ岳や南アルプス、そして西側は中央アルプスなどの山脈に囲まれており、街の灯りの影響が少ないことがわかります。

そのため蓼科は星空撮影の好条件となっています。

東京方面の東側の空は若干光害が目立ちますが許容できる範囲です。

理由②: 適度な標高と空気が澄んでいる

次に蓼科の空気が澄んでいることが理由です。

蓼科の標高は1,500メートルの高原にあり、下界と比べると排ガスや塵やホコリが少なく空気が澄んでいます。

理由③: 写真映えする場所が豊富に点在している

蓼科には女神湖、白樺湖、ヴィーナスロード、スキー場、牧場など星空撮影に最適な場所があります。

湖に反射する星空、ヴィーナスロードから見える白樺湖や蓼科山の風景、スキー場の広い空間から見える星空、牧場から見える高原の風景など、様々な星空風景の構図が点在しています。

困った時はここに来れば構図に困らないでしょう。

理由④: 駐車スペースが充実している

各スポットの周辺に駐車スペースが点在しており、すぐ近くから星空を眺めることができます。

牧場、スキー場、湖には十分な駐車スペースがあり、車を降りてからの移動が簡単です。

車で行ける場所からすぐに星空観測や撮影できるアクセスの良さが蓼科の魅力です。

女神湖中心におすすめの星空スポット7カ所を紹介

実際に足を運んで見つけたお勧めの女神湖周辺の星空スポットを7カ所を紹介します。

①:女神湖および周辺

女神湖は道路と遊歩道に囲まれた人工湖で、どの場所からでも星空を眺められます。

女神湖の北側方向は蓼科山がよく見えます。

さらに山の後方から天の川が出てくるので、女神湖と山と星空の贅沢な星空風景を楽しむことができます。

女神湖から見た星空風景

女神湖の東側は『女神湖センター』という施設があり、その駐車場にある白熱灯が少し眩しいです。この日は風も穏やかで少しだけ湖に星が写り込んでいました。

星空風景
蓼科山のと天の川の風景

女神湖の周りの遊歩道から蓼科山の方角を向けると山の後方から天の川が出てきます。

3月上旬から7月中旬頃までは東の空から天の川が昇ってくる風景を撮影できます。

冬の蓼科山
日没直後の冬の星空

冬の女神湖は分厚い氷が張り、空気の澄んだ星空が楽しめます。麓が明るく光っていますが、蓼科山の麓に白樺高原国際スキー場があり、外灯が少し目立ちます。

女神湖の氷上からの風景

冬季の女神湖は水の流入を止めることで湖全体が氷り、氷上ドライブができるほど分厚い氷に覆われます。

スキー場の街灯が眩しいのでRAWで現象する際は、ハイライトの調整をマイナスに補正して眩しさを低減させます。

女神湖センターのボート乗り場付近
女神湖ボート乗り場の風景

北東の方角を撮影した女神湖の風景です。こちらの方向は大きな山もないため空の面積が広く、星空がよく見えます。

女神湖北側の星空
女神湖北側の風景

北側は光害が少なく、星がはっきり見えます。北極星中心の写真撮影に最適かもしれません。

■女神湖で写真を撮る際は車のライトに注意

女神湖の周回道路を走る車のライトに注意です。カメラをセットする方角により車のライトがレンズに写り込む可能性があります。タイムラプスを撮影する際は車のライトが入る方向をあらかじめ確認しておいてください。

②:白樺高原国際スキー場からの星空

リフト乗り場付近からの星空風景

この場所へのアクセスは容易で、すぐ目の前に無料の駐車があります。外灯が少しありますが光が直接当たらないように工夫することである程度眩しい映り込みを押さえることができます。また夜間は殆ど人がいないため、ゆっくりと撮影ができるでしょう。

スキー場から見た星空
天の川の中心の流れ星

スキー場の中腹から撮った写真です。リフトの鉄塔とワイヤーがシルエットになった星空が撮れました。露出時間とISO感度が足りなかったため、かなり暗い写真になりましたが、ノイズが目立たないギリギリの調整で感度を上げて現象しました。

スキー場から見た南側の風景

スキー場は傾斜ですが、夏場はスキー場の雪が無くなり道路が出てきます。その場所で撮影をしました。写真右側は諏訪の街灯による光害です。

ゲレンデからの星空風景
ゲレンデからの星空風景

5月の未明に撮った星空風景です。南側の方角で天の川が縦になっております。スキー場付近はかなり穴場になりますが、真っ暗のため溝にはまらないように気を付けなければなりません。

夜のスキー場は野生のシカがたくさんいるので襲ってくることは無いですが気を付けてください。

■白樺高原スキー場ではシカの群れに注意

夜間のスキー場には野生のシカが大量発生しております。シカによってカメラを倒されないよう、カメラをセットしたら出来る限り近くで待機しておきましょう。

③:蓼科第二牧場付近

蓼科第二牧場の星空風景①

女神湖から立科町方面に下った先に「蓼科第二牧場」があり、星空撮影スポットとなります。道路沿いに駐車場があり目の前は牧場があります。

牧場に入られないように胸の高さくらいの「木の囲い」があるため、少し高めの三脚があると良いかと思います。

蓼科牧場からの星空
蓼科牧場からの星空②

撮影方向は東の空中心となり、3月下旬から6月上旬までは東の空から出てくる天の川をアーチのように撮影できます。

蓼科第二牧場から撮影した蓼科山の風景

牧場から撮った蓼科山の風景(南の方角)です。蓼科第二牧場を横に走る道はトラックが良く通るのでレンズに光が入らないように「撮影する方向に気を付ける必要」がありますが、北東の街灯りの光害以外は目立った外灯もなく、満天の星空が広がるのでおすすめのポイントです。

蓼科第二牧場の北側の星空風景

第二牧場は見晴らしが大変良く、東側から北側方面は佐久平の盆地の方角となります。佐久の方角は街灯りで地平線が明るくなりますが、夜空のグラデーションが綺麗に映ります。

女神湖周辺が曇りの場合、蓼科第二牧場まで移動すると空が晴れていることがあります。女神湖周辺の天気が悪い場合は一度訪れてみると良いでしょう。女神湖から蓼科第二牧場まで車で10分ほどとなります。

■蓼科第二牧場はトラックのライトに注意

蓼科第二牧場は県道40号線沿いにあり、夜間は大型トラクターがハイビームで走っています。

蓼科牧場から蓼科山を撮る場合は県道40号が映り込むので、トラックが来ないタイミングを見計らって撮影をしましょう。

④:白樺湖から見える星空風景

女神湖から車で12分ほど南下した先に白樺湖があり、この場所からも星空がよく見えます。

湖と山の風景を取り入れた星空風景が特徴的です。

白樺湖の遊歩道から星空撮影ができます。

2月下旬から5月頃までは夜中から未明にかけて蓼科山の後ろからアーチのように天の川が出てくるので山と星の風景が眺められます。

白樺湖と蓼科山の星空(2021年2月25日撮影)

白樺湖の周りは無料で停められる駐車場が点在しており、歩いて湖の手前まで行くことができます。

外灯は多少ありますが星空を遮るモノがないため撮影がしやすいです。

■冬の時期はスキー場の光と気温に注意

冬の時期は白樺湖周辺のスキー場の外灯で光害が発生します。夜間に人工雪を発生させ、スキー場の整備をしているためです。蓼科山側の東の空を撮る場合はロイヤルヒルスキー場が眩しいため、注意してください。

真冬の白樺湖周辺の夜は氷点下10度の極寒です。低温状態でカメラが故障しないようにしましょう。長時間外気にさらされた状態での撮影はバッテリーの低下や電力供給が不安定になり、カメラの電源が切れてしまう場合があるので注意してください。

⑤:ビーナスラインからの星空

女神湖から続く県道40号線は「ビーナスライン」と呼ばれ、白樺湖から霧ヶ峰まで見晴らしの良いシーニックドライブが続きます。

このエリアが星空観測スポットに最適です。

ビーナスライン沿いの沿道付近

ビーナスラインの道路沿いから見た星空

撮影に適した方角は東から西の空が中心です。5月頃から9月頃までは天の川がよく写ります。車山高原付近は宿泊施設の光で眩しい場所もありますが条件が良いとしっかり星が写ります。

ビーナスラインから見た風景(5月頃)①

ビーナスライン付近は霧が発生することがあり街明かりが霧で拡散し映りが悪くなることがあります。①の写真は霧が多く拡散し光害が発生しています。

霧ヶ峰富士見台駐車場から見た星空

1,700メートル付近にある霧ヶ峰からは茅野市を眼下に南の空の星がよく見えます。

霧ヶ峰富士見駐車場からの風景(南東の方角)

2月下旬の未明に撮影した風景です。天の川が昇り始め中心付近がの濃い部分が見えてきます。

この日は薄い雲のため空が霞ましたが星がよく見えました。

ヴィーナスラインの道路から撮った星空

左側にある蓼科山と八ヶ岳連峰の頭上にある天の川を捉えました。道路の周りは遮る山や建物が無いため、ビーナスラインであればどこでも星空スポットになります。

⑥:白樺湖展望台駐車場からの星空

白樺湖からビーナスラインを車で3分ほど走った場所にある白樺湖展望台駐車場はおすすめの星空撮影スポットです。

白樺湖展望台駐車場①

蓼科山の方角は北東を向いており白樺湖と蓼科山の風景が特徴的な星空風景となります。

この場所はビーナスラインからの車のライトが入り込まない角度にあるため、場所をしっかり押さえておけば光害の影響が少なく、長時間の撮影に最適です。

白樺湖展望台駐車場②

30mmの距離で撮影した白樺湖と蓼科山の星空風景です。写真②は2021年2月下旬に撮影しており、月明りが満月に近い状況のため空が青みがかっております。

白樺湖展望台駐車場③

天の川が横に伸びています。蓼科山の奥は佐久市があり、地平線が少し明るく写ります。

開けた場所なので総合的にバランスの取れた星空スポットです。

■ヴィーナスライン沿いはレンズの曇りに注意

ヴィーナスラインの谷側から風が吹いており、地上から湿った空気が登ってきます。このあたりで写真を撮る際はレンズが曇らないように対策をしてください。

まとめ

女神湖周辺は綺麗な星空が広がっており、様々な撮影スポットが点在しています。各スポットは駐車できるスペースが充実し、星空を阻害する光害や建物がないだけでなく、標高が高く空気も澄んでいるため星空撮影に最適な環境が整っています。

都心から3時間以内で行けるアクセスの良さとあまり知られていない場所も多くあるため、意外と穴場です。

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