アーチーズ代表のデリケートアーチの風景

アーチーズ国立公園

【アーチーズ国立公園】難易度は中程度のデリケート・アーチまでの道のりと絶景を紹介

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Delicate Arch(デリケート・アーチ)はアーチーズ国立公園で最も有名なアーチでユタ州のシンボルです。

この記事ではデリケート・アーチまでの道のり、歩き方、風景、その他予備知識をまとめました。

思った以上に簡単でしたので体験談をもとにポイントを紹介していきます。

デリケート・アーチ・トレイルの概要

デリケート・アーチの地図

デリケート・アーチはアーチーズ国立公園の象徴的な場所で、訪れた観光客が必ずと言っていいほど目指す国立公園の代表的な観光スポットです。

Wolfe Ranch Parkingをトレイルの出発地点とし、目的地のデリケート・アーチまで片道2.4㎞、往復4.8㎞のトレイルです。

序盤は平坦な道を進み、中盤からは赤い岩の上を登りながらデリケート・アーチを目指します。

出発地点から目的地までの標高差は146m、行きは上り坂、そして帰りは常に下り坂中心のトレイルです。

所要時間は往復3時間〜3.5時間でデリケート・アーチで、30分くらい滞在したと仮定して場合の所要時間です。

トレイルは日影になる場所がほとんどなく、日中は常に太陽に照らされるため、真夏は帽子やサングラスが必須です。

一方、冬場のトレイルは雪や氷で足場の岩が大変滑りやすくなるので天候によってはアイゼンやスパイク靴が必要になることもあります。

岩の上は滑りやすいため、トレイルの難易度はオフィシャルでは三段階中1番高い「High」となっています。

アッパー・デリケート・アーチ・ビューポイント(Upper Delicate Arch View Point)というトレイルが近隣にありますが、そこからはシンボルのアーチは間近で見れないため、間違えないようにしてください。

最新のトレイル状況などはアーチーズ国立公園のオフィシャルサイトをご参照ください。

デリケートアーチの道のりを紹介|想定以上に簡単ですが、体力のいるトレイル

デリケート・アーチトレイルの難易度は「高」となりますが、距離が比較的長く上り坂がしばらく続くため体力のいるトレイルです。

そのため、感覚的には登山をしているような起伏のある場所も歩きますが、ポイントさえ掴んでおけばそんなに難しいトレイルではありません。

デリケート・アーチの序盤|なだらかな砂の道を進む|出発~1km付近

出発点の風景

出発地点の序盤のトレイルは高低差の少ない、なだらかな道を進んでいきます。

■Wolfe Ranch跡地|出発地点から約100メートル

Wolfe Ranchの小屋

トレイルを歩き始めて100メートル程進んだ先に「Wolfe Ranch」の史跡があります。

1900年初頭にWolfeファミリーがこの地に牧場を構えて住んでいた住居がそのまま残っています。

ログハウスはよく見ると木の丸太そのものが隙間なく重なっています。

■橋を渡る|出発から160メートル付近

桟橋

長さ30メートルくらいの橋を渡ります。

■序盤の途中の風景|出発から約600メートル付近

序盤のトレイル風景

前半のトレイルはとても歩きやすく平坦な荒野を進んでいるような情景です。

トレイルの道もわかりやすく、道の両サイドは境界線がわかるように石が引かれています。

デリケート・アーチは日没後に歩く人が多く、見失わないようにトレイルが工夫されているようです。

出発地点から600メートル程進むと、少し下り坂となりますが、その先に見えるトレイル中盤の赤岩が遠くに見えます。

デリケート・アーチの中盤から|赤い岩盤の道を登る|1km~1.7㎞

岩の坂道手前の風景

中盤は一番体力を使う約700メートルの赤岩の上を進みます。

少し急な斜面がある為一番慎重に歩く場所です。

登り始めの地点から100メートル以上も坂道を登ります。

■赤岩の中腹|出発地点から1.6㎞付近

来た道を後ろから撮った風景

坂道の中腹で後ろを振り返ると駐車場が小さく見え、かなり遠くまで来たことがわかります。

このあたりの勾配は岩盤が雨や雪、氷が張った状態だと大変滑りやすく転びやすいので慎重に進んでください。

夏は突然の豪雨や、冬は凍結により岩盤が大変滑りやすくなります。その他岩盤も穴や段差が激しいため足元を確認しながら進みましょう。

このトレイルの難易度が高いと言われる理由がトレイル中盤から滑りやすい岩盤を昇るトレッキングコースです。

歩く際はトレッキングシューズは必須アイテムで、更にトレッキングポールなどの補助的な道具があるとがより安全です。

岩の上のトレイルはケルンが道しるべに

岩盤の上には「Carin - ケルン」と呼ばれるシンボルがあり、トレイルではよくある道しるべですが、数十メートル毎に並べられています。

このエリアは一面が大きな岩が広がっているため進む方向が見失いやすいです。目印となるケルンを目指して進みましょう。

繁忙期は観光客がたくさんいるのでまず迷うことはないと思います。

デリケート・アーチの終盤|砂の小道と細い岩の通路|1.7㎞~2.4㎞(終着地点)

後半のトレイルは砂と岩の上を歩き、終盤は岩の細い通路を歩きます。

中盤の上り坂で体力が消耗しているので少し休憩してから息を整えて進みましょう。

■砂と岩の道を進む|出発地点から1.8㎞付近

終盤付近の細道

このあたりはサラサラした砂が堆積した道を進んでいきます。緩やかですが登りながら蛇行した道を進んでいきます。

また、急に砂から岩に変わったり、地面から突き出た岩の上を歩くため足元をよく見て歩きましょう。

■あたり一面の砂岩の上を歩く|出発地点から2.1㎞付近

あたり一面岩の砂岩の風景

細い道を抜けるとあたり一面が砂岩のエリアを進んでいきます。このエリアが見えてきたらあと少しでデリケート・アーチです。

■スリルある細道|出発地点から2.3㎞付近

砂岩を削った細い通路

トレイルの終盤に差し掛かると崖の端を沿うように進む細い道があります。人の手で砂岩を削りデリケート・アーチにアクセスできるようになっています。

道幅は人が交差できるくらいは十分にあるので安全です。ここの細い道を越えるとデリケート・アーチが見えてきます。

デリケート・アーチの絶景|ユタ州のシンボル

デリケート・アーチ

歩き始めて約1時間強でようやくデリケート・アーチに到着です。周りは曲線を描いた岩があり、ぽつんとシンボルとなるアーチが絶妙なバランスで佇んでいます。

デリケート・アーチの全体風景

デリケート・アーチ全体の風景です。地球外にいるような風景で現実離れした異様な光景に言葉を失います。

アーチは砂岩の層で構成され、高さ14メートル、横幅10メートルの大きさです。

絶妙なバランスで立っており、名前の由来の通り非常にデリケートな風貌で今にも崩れてしまいそうです。

不思議な曲線を描く地形

砂岩の大地は曲線を描くように大きな穴が開いています。滑りやすくなっているため穴に近づきすぎないように気を付けてください。

転げ落ちても大事には至らないと思いますが少し深くなっています。

■アーチの近くまで行ける

アーチと一緒に写真が撮れる

デリケート・アーチに近づき、写真撮影ができます。観光客が多いと順番待ちをしますが近くに寄れるので是非近くまで行ってみましょう。

遠くに見える駐車場

デリケート・アーチから遠くにある駐車場がよく見えます。遠くに見える色鮮やかな広大な大地も見どころです。

どうやってアーチができたのか?

アーチーズ国立公園が位置する場所は大昔に海だったり陸だったりを繰り返し、大量の塩が堆積したそうです。その後塩の上に何層もの砂が堆積し砂岩を形成しました。

塩の層は上に堆積した砂岩の荷重による圧力に耐えきれず押しつぶされ、一ヵ所に集まってドーム状に盛り上がりました。それがアーチーズ国立公園の大地です。

更に年月が経ち、塩のドームの上に形成された何層もの砂岩が年月と共に更に上の堆積物で押し固められ、やがて上層の堆積物は風化しながらだんだんと無くなっていきました。

固められた砂岩が表層に出てくるようになると雨や雪などで砂岩が浸食され崩れます。崩れた砂岩の真下には塩の塊がありますが、春から秋にかけて雨により砂岩と塩の間を侵食していきます。

冬は水が凍り膨張することで浸食が進み、長い時間をかけて弱い砂岩が削られてアーチの形になりました。

言葉で説明しても何を言っているかよくわからないと思いますが、とにかくアーチの形状は膨大な年月で出来上がった地球の最新の姿を目の当たりにしているということです。

アーチーズ国立公園は各スポットにどのようにしてアーチが形成されたかなどがわかる資料が至る所にありますので読みながら楽しむのも醍醐味だと思います。

長い道のりですが一度は訪れて実際の目で見たい風景です。

時間帯によってデリケート・アーチは見え方が変わる

明け方と昼間の景色が異なるように、デリケート・アーチの風景も時間帯によって見える景色が大きく異なります。

昼間と夕方の見え方の違いを紹介します。

■昼間の風景

昼間のデリケート・アーチ

昼間の光景は赤褐色の岩盤と晴れていれば青空のコントラストの美しい景色が眺められます。

午前中、特に早朝は観光客が少ない時間帯なので、運が良ければ人が写らないアーチの風景を撮ることができるでしょう。

■夕方の風景

今では貴重な誰も居ない夕暮れ時の風景

夕方はデリケート・アーチは一日の中でも一番色鮮やかな風景を眺めることができます。

黄昏時のデリケート・アーチは格別で赤い大地が夕日で更に色濃くなり、ものすごい光景になります。

日の入り1時間前くらいから訪れる観光客がピークとなり夕日に照らされるアーチを見に、たくさんの観光客が訪れます。

■夜の風景

満天の星空とデリケート・アーチ

夜のデリケート・アーチもまた一味違った風景を楽しめます。この写真は2009年に撮影した未明の風景です。

当時夜中の2時頃からトレイルを一人で歩き手探りの状態で行きました。懐中電灯を片手に孤独なトレイルでした。

夜間のトレイルはコヨーテや蛇が出るのでお勧めできませんが、夜のアーチもまた綺麗です。

デリケート・アーチのトレイルで必要な装備は?

デリケート・アーチ・トレイルで安全に歩くために事前の準備が必要です。トレイルの経験から準備しておくと重宝するアイテムを紹介します。

■ボトル水

季節を問わずトレッキングで水の携帯は必須です。トレイルは給水場がなく、日影になる場所もほとんど無いため、夏場は特に熱中症になりやすいです。

夏場の真昼に歩く場合は2リットル以上の水を所持することが推奨されています。

また冬場は氷点下となりますので魔法瓶にお湯を入れて持っていくと身体が温まります。

軽食

トレイルは往復で4.8㎞の距離を歩くので結構体力を使います。

エネルギーの補給はトレイルを歩く上で重要な要素なので食料は持って行きましょう。

クッキーやチョコレート、塩分のある食べ物や、ホテルで出る朝食でリンゴやバナナなどもいいでしょう。

トレッキングシューズは必須

トレイルの中盤からは足元が滑りやすい岩の上を歩くため、トレッキングシューズは必須です。

サンダルやスニーカーまたは足底が薄い靴は怪我の原因になります。足をねんざしたら自力で戻るのは困難です。

■帽子は熱中症対策

春から秋にかけては熱中症のリスクがあります。トレイルは終始日影がないので特に熱中症に注意しなければなりません。帽子をかぶるように心がけてください。

首元までつばのある帽子がお勧めです。

トレッキングポール

デリケートアーチ・トレイルではトレッキングポールがあるとより安全に歩くことができます。

トレッキングポールは接地面がゴムでバネのあるタイプがあると力を受け流しやすくなりお勧めです。

デリケート・アーチ・トレイル|トレッキングの注意事項とは?

国立公園でのトレッキングは自然を楽しむアクティビティです。自分の行動がすべてを左右します。

天候を読む力や時間配分、体力・体調などを客観的に見て判断できるかがポイントです。

特にデリケート・アーチ・トレイルを歩く際は下記の事に十分注意して臨んでください。

■トレイルを歩く前に3時間先の天気を調べる

前提として3時間以上先の天気を調べてからトレイルを行くかどうか決断しましょう。

雨が降るとトレイル中盤の岩場がとても滑りやすく滑落の危険が増します。

それでも天気は読めないため、ゲリラ豪雨があれば無理に歩かず、ゆっくり足元を確認しながら進みましょう。

雷の場合はできる限り身をかがめてください。このトレイルは周りに木や高い山がありません。

自分の頭が一番高いと思ってください。雷が頭上に落ちないように身を低くしてください。

■降雪や凍結の場合は行くのを断念する

冬にデリケート・アーチに行く際はアイゼンが必要になります。なければ行くのをやめましょう。

そもそもアイゼンで行ける人はベテランだと思いますので、危機管理などできていると思います

冬の時期は氷点下に近い気温なら行くのはやめておきましょう。冬場は観光客が少なく怪我をしても誰も助けてくれません。

■夏場の熱中症に注意

熱中症にならないように適度に休憩をしながら水分補給をしましょう。日影になる場所がないため夏場は特に気を付けてください。

少しでも体調が悪くなれば引き返すという選択が一番重要になります。

真夏でお昼間からの出発は控えてください。夏場に行くなら朝か夕方前に出発しましょう。

■絶対にけがをしない

けがをしないことが一番大切なことです。しっかりと足首が固定できるトレッキングシューズを履いて向かうだけでなく、トレイルの道以外の場所には極力行かないように心がけましょう。

自分の行動次第で怪我のリスクを避けることができます。

トレイルは滑りやすいので岩の上は走らずにゆっくり進みましょう。

デリケート・アーチ観光でおすすめの時間帯(朝と夕方)

昨今のアーチーズ国立公園は人気の観光スポットで世界中からたくさんの観光客が押し寄せます。

その中でもデリケート・アーチは一番人気の観光名所で、とにかく混み合います。

デリケート・アーチを見る一番良い時間帯は夕暮れ時ですが、ものすごく混みます。

夕方前の駐車場が満車になり、そもそも停車できず夕日のデリケート・アーチに間に合わない場合があります。

駐車ができない場合は駐車場よりも更に1km以上離れた別の駐車場から歩く羽目になるので、混む前に行くかが重要です。

確実に行きたいなら夕日の景色にこだわらず、早朝に行きましょう。

混み合わない時間帯の早朝に行くと良いかと思います。

朝に国立公園に入ったら寄り道せずに最初にデリケート・アーチを目指してしまうのも混雑を回避するテクニックです。

アーチーズ国立公園をスムーズに楽しむ為の予備知識は下記関連記事を参照してみてください。効率よく回れる情報などを記載しています。

まとめ

デリケート・アーチは国立公園を訪れたら是非チャレンジしてほしい観光名所です。

難易度の高いトレイルとして認識されていますが、下記しっかりと準備をしていれば難しいことはありません。

  • 岩場のスリップを防ぐためのトレッキングシューズ
  • 熱中症対策のボトル水と帽子
  • 雨や凍結時の岩場の上を歩く危険性
  • 時間帯による混み具合

近年は観光客で溢れかえっておりますが時間帯を夕方ではなく午前中の早い時間に行くことで混雑を回避することができます。

唯一無二の景色を見ることができるデリケート・アーチを楽しんでください。

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