ユタ州の砂漠で最高の夕日が見れる場所が『デッド・ホース・ポイント州立公園 - Dead Horse Point State Park』にあります。
奥行きのあるキャニオンランズの風景と間近に流れるコロラド川が特徴的な州立公園は、夕日の時間帯に行くことを強く進めます。
夕日で赤く染まる複雑なキャニオンランズの風景は生涯忘れられない思い出になることでしょう。
この記事ではデッド・ホース・ポイント州立公園の基本的な概要、特徴、行き方、夕日の風景、その他予備知識をまとめています。
デッド・ホース・ポイント州立公園とは?|概要と特徴
アメリカのユタ州が管理・運営している州立公園です。
コロラド平原と呼ばれる標高1800メートルのメサと呼ばれる台座のような大地に構えており、突き出たリムの一角に構えています。まるで空中に浮かぶ小島のようです。
約600メートルの崖下を流れるコロラド川や複雑な地形が広がるキャニオンランズの大地が一望でき、代表的なビュースポット『Dead Horse Point』は唯一無二の光景です。
州立公園自体の面積はコンパクトで、数時間から半日ほどの滞在で気軽に楽しめます。
また、キャニオンランズ国立公園とアーチーズ国立公園の間に位置していることから、モアブの町を拠点に行きやすく、グランドサークルの行程に組みやすい人気の観光スポットです。
- 1959年に国立公園として正式登録
- 営業時間は通年8:00-18:00時間(繁忙期は4月~11月)
- 入園料は車1台につき20ドル
- 公園内の設備:ビジターセンター、トイレ施設、キャンプ場、ミュージアム
- 気候:(通年乾燥地帯)温暖な時期は4月~5月、9月~10月、夏場は35度超え、冬は氷点下10度以下
- アクセス方法: モアブの町から車で40分ほど
メサの先端に州立公園があり、淵に沿ってトレイルが延びていてその全てから景色が望める非常に開放的な州立公園です。
デッド・ホース・ポイント州立公園の行き方
デッド・ホース・ポイント州立公園はMoab(モアブ)の街から車で40分ほど離れた場所にあります。
モアブからUS-191を北上し、ユタ州道313(UT-313)を左折します。
道路は標高1,800メートル付近まで徐々に登りながら進んでいきます。
そのまま道なりに進むと最終的にキャニオンランズ国立公園のIsland in the Skyに辿り着きますが、その前に州立公園に続く道へ左折します。
少し道がわかり辛いのでナビを使用して向かってください。
デッド・ホース・ポイント州立公園で体験できることとは?
デッドホースポイント州立公園では以下のことが体験できます。
- 展望台エリアからの風景
- ハイキング・トレイル
- キャンプ
- ピクニック
日帰りでの観光の場合、展望台からの眺めを楽しんだりトレイルをしながら景色を五感で体験できます。
州立公園自体は非常にコンパクトで滞在時間は半日以下で十分です。
訪れる観光客は近隣の国立公園に比べると少なく、壮大な景色を静かに楽しめることが魅力です。
デッド・ホース・ポイント州立公園の風景や景色とは?
実際に州立公園に立ち寄って体験した記録をまとめました。
■ゲート前の風景
デッド・ホース・ポイント州立公園もしっかりと入口前にモニュメントが設置されています。
■入園ゲートで20ドルを払う
モニュメントを越えてから450メートル程進んだ先に入園ゲートがあります。
入園料は車一台につき20ドルですが、この州立公園の支払い方法は『現金払い』または『QRコードを読み込むオンライン決済』のいずれかで支払いをします。
その場でQRコードから支払いをするのが面倒だったので現金で払いました。
■最南端のDead Horse Point周辺
ゲートを越えるとDead Horse Pointまでほぼ一本道で、一目散に最南端のポイントを目指しました。
駐車場に車を停め、100メートル程歩くと絶景ポイントが見えてきます。
■展望エリアとトレイルについて
トレイルはリム沿いに延びていて見晴らしがよく、全てが展望エリアのようなイメージです。
Dead Horse Pointは展望エリアが一ヵ所あり、トレイルよりも少し高い場所から景色を眺められるようになっています。
リム沿いは人工的に岩で囲われているので安全に景色を楽しむことができます。囲いは腰の高さより少し上に位置し、肘を付きながらゆっくり眺められます。
代表的なDead Horse Pointから眺める景色とは?
デッド・ホース・ポイントは州立公園の最南端にある代表的なビュースポットです。
東から西まで180度以上のパノラマを一望できます。
展望エリアから600メートル下を流れるU字に曲がりくねったコロラド川の風景が特徴的です。
■コロラド川と手前の地形風景
展望エリア付近から眺めるコロラド川は絶景です。絶えず流れる川による長年の浸食作用によって標高の異なる複雑な地形が形成されました。
上の画像でコロラド川の手前のリム沿いにオフロードが見えますが、『ポタッシュロード - Potash Road』と呼ばれ、モアブの街まで40km以上も続いています。
また、コロラド川がU字に曲がった手前に『Gooseneck Overlook』と呼ばれるビュースポットがあり、崖の先端からコロラド川が一望できます。
オフロードが走れる条件を満たしていれば行くことができ、とてもスリリングな体験ができます。
詳しくは関連記事のShafer Canyon Raodで大渓谷を下りコロラド川を見る|キャニオンランズ国立公園を参照ください。
■地平線まで続くキャニオンランズ国立公園の風景
代表的なDead Horse pointは真南を向き、キャニオンランズの複雑な地形が奥まで続きます。
あまりの広大さに距離感が掴みづらく、縮小したジオラマ風景を見ているような感じです。
小さく映る高低差のある崖も実際は数百メートル規模の大きさで、完全にトリックアートです。
視程が高く、60㎞先の風景まではっきり見ることができます。
■夕日のメッカ
入り組んだ地形や蛇行するコロラド川が夕日によって照らされる風景は圧倒的な壮観で、知る人ぞ知る夕日のメッカです。
■Potash Evaporation Pondsが眺められる
州立公園の東側より5㎞先に人工的に造られた池が見えます。
『Potash Evaporation Ponds』と呼ばれ、地下のカリウム鉱山から『炭酸カリウム』や『塩』をくみ上げて生成する巨大な蒸留池です。
詳しくはわかりませんが、それらの成分を水で溶け込ませ地下から水を汲み上げるそうです。
その水を地表で青く着色させることで太陽光の吸収を助け、蒸発率を高めて炭酸カリウムや塩の生成率を上げているんだとか。
赤茶けた大地に一際目立つPotash Pondsは美しく、観光スポットになっています。
デッド・ホース・ポイント州立公園に行く前に知っておきたい予備知識とは?
モアブの街を拠点にこの地を訪れたら是非とも立ち寄って欲しい場所です。
そこで、行く前に知っておきたい予備知識をまとめました。
■デッド・ホース・ポイントの名前の由来について
諸説あるようですが、19世紀に断崖絶壁で囲まれたこの場所を自然の囲いとして馬を放し飼いにしていたそうです。
しかしながら切り立つ崖に馬が相次いで転落したことから、『Dead Horse Point = 馬が死ぬ場所』ということで名づけられました。
州立公園は上の画像のように断崖絶壁に囲まれた孤島になっています。
当時、馬が逃げないようにこの断崖絶壁を囲いに見立てて放牧をしていたと仮定すると、馬が崖に落ち易い環境だったと言わざるを得ません。
馬にとってはさぞ大変な環境だったことでしょう。
■州立公園の滞在時間は?
滞在時間は2~3時間以内です。
州立公園自体の見どころは『Dead Horse Point』から眺める風景一択で、それ以外の風景を見る時間があればキャニオンランズ国立公園やアーチーズ国立公園に時間を割いた方が良いでしょう。
■入場料20ドルとその価値について
究極の自問自答になりますが、州立公園のDead Horse Pointのみで20ドルを払う価値はあるかという質問については、人それぞれです。
私はDead Horse Pointから眺めるコロラド川とキャニオンランズの風景は素晴らしいと感じたので、払う価値はあったかと思います。
◼️半日以上の滞在はお勧めしない
州立公園の近隣にキャニオンランズ国立公園やアーチーズ国立公園があり、正直なところ州立公園より見どころや絶景が豊富です。
従って、州立公園に時間を掛けず、近隣の国立公園に時間を割いたほうが賢明です。
時間に余裕があれば行くことをお勧めしますが、行く優先順位は低く考えても良いでしょう。
■デッド・ホース・ポイント州立公園はどのタイミングで行くべきか?
経験上、キャニオンランズ国立公園のIsland in the Skyを観光した帰りの夕方前の時間帯をめがけて入園すると時間を有効活用できるでしょう。
注意点は、夕方に観光したらモアブに着くのは夜になるという点です。
その時間帯はレストランなどは混み合っていたり、ラストオーダーを迎えてお店が閉まっていることに注意してください。
■デッド・ホース・ポイント州立公園の楽しみ方とは?
この州立公園での最大の楽しみ方はDead Horse Pointでゆっくり景色を眺めることです。
観光客が少ないので静かに景色が堪能できます。10分でもいいのでその場で静かにコロラド川とキャニオンランズの風景を眺めてみましょう。
■夕日はおすすめの時間帯
デッド・ホース・ポイント州立公園を訪れるなら夕日の時間帯がお勧めです。
蛇行するコロラド川と奥行きのあるキャニオンランズの風景が夕日に照らされた風景は想像を超える絶景で、ユタを代表する風景の一つです。
この地を訪れるなら日の入り時間の2時間前には到着していましょう。
一番夕日で大地が赤く染まるのは日の入り2時間前から1時間くらいです。
徐々に色が変化する夕暮れ時が楽しめます。
谷が深いため日の入り直前は夕日の当たる面積が極端に少なくなります。
日の入り時間を調べるには下記のサイトが便利です。
https://sunrise.maplogs.com/ja/dead_horse_point_utah_usa.405041.html
■満天の星空スポットでも有名
Dead Horse Point州立公園は1,800メートルのメサの大地にあり、モアブの街からの光害も少なく星空観測に好条件なことから、2016年に正式にInternational Dark Sky Parkに認定されました。
モアブから車で40分で行ける距離で便が良いです。
まとめ
デット・ホース・ポイント州立公園は蛇行するコロラド川が間近で眺められ奥行きのあるキャニオンランズの風景が特徴的です。
近隣の国立公園や拠点となるモアブの街からのアクセスも良く、セットで訪れやすい観光スポットです。
夕日の時間帯には赤く染まる力強い自然の造形が眺められ、夜には満点の星空が輝きます。
見どころはDead Horse Pointからの代表的な眺めとなり、滞在時間は数時間で十分です。
入園料は車一台につき20ドルとなかなかの値段がしますがその価値は行ってから初めて個人で判断できると思います。
近隣のアーチズ国立公園やキャニオンランズ国立公園に負けますが、州立公園にも唯一無二の絶景がありますので、時間があれば是非立ち寄ってみてください。
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