■グランドサークルについて

ニードルズ・オーバールックで見たキャニオンランズの圧倒的パノラマとは?

更新日:

Needles Overlook(ニードルズ・オーバールック)はユタ州東部にあるキャニオンランズ国立公園のNeedles地区が一望できる展望エリアです。

標高1,900メートルから眺める広大なパノラマは、グランドサークルの旅で強く印象に残る場所でした。

この記事ではニードルズ・オーバールックの概要、特徴、風景、行き方、その他知っておきたい予備知識をまとめました。

Needles Overlook(ニードルズ・オーバールック)とは?

Moab(モアブ)の街より南の20㎞先に『Canyon Rims Recreation Area - キャニオン・リムズ保養地』があり、その一角にある展望エリアです。

標高1,900メートルの切り立つ崖の先端から北東以外の全方位(北、西、南、南東)が見渡せ、「キャニオンランズ国立公園のNeedles地区」、「Six Shooters」、「アバホ山脈」が眺められます。

15台ほどの駐車スペース、公衆トイレ、1周約15分ほどで回れるトレイルが区画され、各展望エリアには看板や標識が設置されています。

国立公園や州立公園よりもかなり簡素な内容で、訪れる観光客が少なくマイナーな場所です。

しかしながら、眺める景色はアイランド・イン・ザ・スカイよりも視界がはっきりしていて、奥行きのある景色が特徴的です。

また、柵で覆われていないエリアがむしろ多く、隔てるモノが一切ないことから、最もスリリングな展望エリアです。

Needles Overlookの行き方と道のり

地図①: Needles Overlookのアクセス方法

モアブ(Moab)の中心街からUSハイウェイ313を南に53㎞(33マイル:36分)進むと、『Needles Overlook Rd』へ続く道が見えてきます。

モアブ側から見た、Needles Overlook Rdへの入り口風景

看板が突然出てくるので右折し、Needles Overlook Rdへ入ります。

■Needles Overlook RDの風景

Needles Overlook RDの風景

道路は少し荒く対向車との中央ラインは薄くてわかり辛いです。

しかし、道路はまっすぐで見晴らしが良くて走りやすかったです。

車の交通量はほぼ無く、誰も居ない荒野をひたすら走っていく感覚です。

US-313を右折してから片道35㎞もあり、30分ほどでたどり着きます。

Needles Overlookの風景とトレイルの風景

■トレイル風景

標識

トレイルヘッドにはNeedles Overlookの大きな看板が佇んでいます。

ビューポイントへ続く道
砂の道もある

トレイルはコンクリートで舗装されていたり、砂や砂利、一部岩の段差で構成されています。

全体を通して高低差はほとんどなく、展望エリアまでの距離も短いため難易度は簡単です。

■展望エリアの風景

展望エリアの周辺風景
崖の手前にあるベンチ

展望エリアはリムに沿って柵のある場所と無い場所がありますが、崖に近づけばどこからでも眺められます。

所々にベンチがあり、その場所に座りながらゆっくりと景色が眺められます。

■Needles Overlookから眺めた風景

Needles Overlookから見た風景(北西側)

展望エリアはとても開放的です。開放しすぎて実は危険な場所もたくさんあります。

眺めている場所は景色が広がるNeedlesより450メートル高い場所にあり、周りは遮るモノが一切ありません。

見晴らしの良さはグランドキャニオン国立公園やキャニオンランズ国立公園にあるどの展望エリアよりも圧倒的な没入感が体験でき、どの展望エリアよりも突出した広がりと奥行きがこの絶景の見どころです。

眼下にはNeedlesが地平線まで広がり、まるでジオラマ風景を見ているようです。

正直、比較的マイナーなNeedles Overlookがこんなにも素晴らしい景色だったとは想像しておらず、完全にダークホース的な絶景スポットでした。

■Needlesの光景

Needlesの光景①

展望エリアから南西の方角に針の密集地帯が遠くに見えますが、これがNeedlesの中心エリアになります。

Needlesの光景②

大地は高低差があり、凸凹した地形が広範囲に及んでいて、何がどうなっているのかわかりません。

■Needlesの特徴的な地形

Needlesはシダーメサ層と呼ばれる赤と白の砂岩で構成された地層で、今から2億2500万年前に海岸砂丘が堆積した地層です。

シダーメサ砂岩の下に塩の層があり、膨大な年月によってその下にある塩のブロックが崩壊し、大地の崩壊が起こりました。

これらが破砕に沿った風化により、複雑な尖塔と針のような柱が生成されて現在の形状になりました。

■Six Shootersの光景

展望エリアから見える『Six Shooters』:南側

南側の地平線に『アバホ山脈 - Abajo Mountains』が見えますが、その手前に先端が尖った形状の小山が2つあります。

『Six-Shooters(シックス・シューターズ)』と呼ばれ、右側の尖りが『North Six-Shooter』、左側が『South Six-Shooter』と名付けられています。

これらはもともと『ビュート』と呼ばれるメサの大地が更に浸食され、孤島のような状態になった形状ですが、更にビュートが浸食され続けると、このような先端だけの形状が残ります。

Needles Overlookに行く前に知っておきたい予備知識とは?

Needles Overlookに行く上で、予備知識や注意事項をまとめました。

■入園料は?

無料です。Recreation Areaは基本無料です。入園ゲートもなければビジターセンターもありません。

近くにあるユタの『Dead Horse Point州立公園』は車1台につき20ドル払いますが、この場所の観光は無料です。

■広範囲な展望エリアより夕日のスポットになる

Needles Overlookの全体像: *Google Mapを転用、加工しています。

展望エリアは北から西、そして南を越えて南東までの広範囲を眺めることができます。

展望エリアから眺める方角の中心は西側が中心なので、Needlesに沈む最高のサンセットスポットになるでしょう。

夕日で訪れる場合、最低でも日の入りの1時間前には到着することが望ましいので、モアブの街を拠点にする場合は、モアブを日の入りの2時間前に出発すれば間に合います。

ただし、夕日を見てからモアブに戻ると1時間も掛かるため、戻ってからのレストラン探しは大変苦労します。

スーパーマーケットでデリ系やサンドイッチなどを購入し、部屋で召し上がるのが良いです。City Marketというモアブの中心街にあるスーパーがお勧めです。

■展望エリアで柵のない場所はすべて崖

展望エリアの外側からの風景

柵がある展望エリアは安全ですが、少しでも柵から離れると目の前は崖になります。

他の国立公園の展望エリアは崖から数メートル離れて設置されていることが多く、Needles Overlookにある展望エリアは崖すれすれに設置されています。

いくつかの展望エリアは写真のように崖をそり出た場所に構えていて、かなりのスリルが味わえます。

まさに天空に浮かぶ展望エリアです。

小さな子供と行く際は絶対に手を放さず、一人で行動させないでください。

■動画で見る展望エリアと崖の風景

展望エリアの真下は本当に崖です。高所に慣れていても実際に近づくとかなり怖いです。

■Six Shootersと呼ばれる理由

展望エリアから見えるSix Shootersと呼ばれる2つの尖塔の由来は『6連発回転式拳銃 = リボルバー』から名づけられています。

小塔は6つではなく2つしか見当たらないのは何故?と思われるかもしれませんが、Six ShootersはNorth と Southの2つしかありません。

尖塔の先端に雷が落ちた際の様子が、カウボーイが空に向かって発砲しているような光景から名づけられました。

■滞在時間は?

1時間から2時間くらいあれば十分に絶景を楽しむことができます。

基本的には短いトレイルを歩きながら崖沿いに点在する展望エリアを順に回っていくイメージです。

至る所にベンチがあるので、モアブでサンドイッチでも買ってピクニック感覚で軽食を取るのも良いかもしれません。

■観光客が非常に少ない

国立公園と違い、マイナーな場所なので観光客がとても少ない観光スポットです。

時間が限られている場合はなかなか立ち寄らない場所かと思います。

正直、この記事を書いても興味を示す読者がどのくらいいるか疑問ですが、モアブから1時間で行ける距離で、時間が許すなら是非立ち寄って欲しい場所です。

観光客があまりいないため、壮大な景色を独り占めできます。

■設備情報

駐車スペースが15台くらいと公衆トイレがあるだけです。

トレイルは歩きやすく、一部がコンクリートの道があり、残りは整備された砂利道と岩でできた階段です。

行く先々にベンチがあり、座って景色を眺められるようになっています。

■周辺とのアクセス面について

Needles Overlookは少し偏狭の地にありますが、決して行きにくい場所ではありません。

グランドサークルで必ず通るUS-313沿いからアクセスでき、Needles地区とモアブの中間にあります。

モアブからモニュメントバレーに向かう際に立ち寄れたり、意外とグランドサークルの行程に組み込みやすい場所かと思います。

行先Needles Overlookまで時間
モアブ55マイル(1時間)
Needles ビジターセンター63マイル(1時間15分)

まとめ

実は当初、キャニオンランズ国立公園のNeedles地区に行く予定でしたが、道を間違えてNeedles Overlookに辿り着きました。

途中で道を間違えたときには引き返そうかと思いましたが、せっかくなので最後まで行ってみようと思った判断は間違いではありませんでした。

結果としてはこの場所で見た光景が絶景で、グランドサークルの旅でも特に印象に残った風景として今も記憶に刻まれています。

ここから眺めるNeedlesの風景は素晴らしく、いつまでも眺めていられます。

展望エリアは柵が施されていますが、それもごく一部でほとんどは崖の先端まで簡単に行くことができます。

見晴らしと安全は紙一重ですが、常識の範囲内で近づくと他では味わえない体験ができるでしょう。

■■Needles Overlookの詳細

場所Google Mapが開きます
駐車場約15台
トレイ公衆トイレあり
入場料無料
営業時間24時間 / 365日
HPhttps://www.blm.gov/visit/canyon-rims-recreation-area

■■関連記事紹介

このサイトについて

このサイトについて

-■グランドサークルについて
-,

Copyright© ニコカメラ , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.