『テカポ Tekapo』は世界一美しい星空が見える町で有名で、ニュージーランドの南側にある田舎町です。通年問わず毎年世界中から南の星空を眺めに多くの観光客が訪れます。
テカポでは実際にどんな星空を見ることができるでしょうか。
この記事ではテカポで見た星空の風景とクイーンズタウンからテカポまでの道中にある絶景などの旅行記を交えつつ紹介していきます。
旅の見どころ
- クイーンズタウンからテカポへの絶景シーニックドライブ
- テカポで見る満天の星空
■ニュージーランド3日目の行程
- クイーンズタウンからテカポへドライブ
- マントラレイクテカポにチェックイン
- スーパーで食料調達
- テカポの星空撮影
クイーンズタウンからテカポまで|全長250kmのシーニックルートをドライブ
クイーンズタウンからテカポは片道250㎞の長い道のりです。
しかしただの移動だけでなく、湖道中は美しい山々や湖、牧草地帯を眺めながらドライブを楽しむことができます。
テカポへ続く道はとても運転しやすく標識を頼りに進めば運転が不慣れな方でも安全です。
テカポヘ続く道は絶景ポイントがたくさんある
道路は谷間に沿って進むためこのような景色がしばらく続きます。とにかく運転していて景色がどんどん移り変わっていくため飽きません。
Lake Heyes湖は水面が鏡のように
クイーンズタウンを出発して5分ほど進んだ場所に、ひときわ穏やかな湖『Lake Hayes湖』があります。
風もなく水面の反射が綺麗だったので思わず立ち寄りました。
前日に行ったミラーレイクのように水面が鏡のように反射しており、奥に広がる山が写り込んでいました。
広いパーキングスペースがあり歩いて湖の近くまで行けます。
ぜひ立ち寄ってみてください。(ここは星空のスポットになります)
Lake Dunstanで小休憩、ピクニックができる場所
しばらく進むと『Cromwell』という小さな町があり、通り過ぎると『Lake Dunstan』という細長い湖(全長約10㎞)が現れます。
道路はこの湖を並走していきますが、湖にアクセスできる小道がいくつもあります。
小道からは未舗装路になりますが小休憩も兼ねて寄りました。
クイーンズタウンを出発して1時間弱でたどり着きます。
あらかじめ街でサンドイッチなどの軽食があればこのあたりで一度休憩してもよいのではないでしょうか。
ニュージーランドの道路はしっかりと舗装されていますが主要道路以外は未舗装路も多いです。
レンタカーを借りる場合は未舗装路も難なく走行できるSUVや4WDタイプがお勧めです。
クイーンズタウンからテカポまではノンストップで3時間ほどですが、道中は素晴らしい景色が沢山あります。
度々車を停める機会も多くなると思うので、少なくとも4時間以の移動時間を確保しておきましょう。
夜間の移動はお勧めしません。なぜなら昼間の景色が素晴らしいからです。
午前9:00にクイーンズタウンを出発したら13:00または14:00頃頃にテカポに到着できるイメージが良いかと思います。
羊の群れに何度も遭遇
ニュージーランドの道を走っていると放牧された羊の群れに遭遇します。
車を停めると羊たちが全員物珍しそうにこちら側を見てきます。
ニュージーランドは羊の数が人口よりも多いそうです。
内陸は乾燥地帯で空気が澄み、かなり遠くの山までハッキリ見えます。
後で調べましたが写真に写っている山脈まで30㎞以上離れていて、大気汚染物質や塵が少ないことがわかります。
プカキ湖で休憩
さらに進むと、テカポまで50キロ手前にある「Pukaki湖」が見えてきます。
マウント・クック国立公園(上記写真の奥側)の氷河が溶け出し、川となってPukaki湖に流れ込みます。とても広大な湖です。
湖の奥にはマウント・クックがよく見えます。山が厚い雲に覆われていることが多く、この位置からマウント・クックが見えるのは非常に珍しいそうです。
ついにテカポの町の入口が見えてきました。まもなく夕方のため、この日はあまり散策できませんでしたが、まずは宿泊施設のチェックインに向かいました。
マントラ・レイク・テカポで宿泊
テカポは2泊滞在します。今回お世話になる宿泊施設は「Mantra Lake Tekapo」です。一軒家と同じくらいの広さて大人数で泊まれるほどの広さです。
シングルのベッドが2つ、クイーンサイズのベッドが一つ、ソファーもありました。暖炉が常備しており、冬の時期は本当に助かりました。
テカポ周辺でロケハン
テカポは初めて訪れた場所なので日が暮れる前にどこで星空を撮影するか場所の選別でロケハンをしました。
この日のテカポは快晴の予定で星空撮影に最適でした。
テカポに訪れる際はお昼くらいには着いていると色々と準備ができるの早めに向かうようにしましょう。
■スーパーで食料を調達
テカポは本当に小さな町です。街の中心にあるスーパーも日本のコンビニには敵わず品揃えが乏しいです。
レストランもいくつかありますが、遅い時間帯で営業していないレストランも多いので、テカポでは午後6時前には来店しましょう。
テカポの星空
テカポ1日目の星空状況を紹介します。この日は明け方まで色々な場所で撮影をしました。
■テカポの夜空は場所を選ばない
まず驚いたのが、宿泊施設のすぐ裏の道でもこれだけの星空が見えることにびっくりしました。
テカポならどこできれいな星空が見えます。
南半球でしか見ることの出来ない大マゼランと小マゼランがはっきり視認できます。
テカポの凄いところは星空がよく見えるように暗闇でも目に眩しくない暖色系の街灯が統一されています。
街灯はフードがかぶされており光が地面にのみ照らされるように配慮され、空に街灯の光が拡散しないようにしています。これは星空が見やすい環境になるように町全体が光害を抑えているからです。
善き羊飼いの教会からの星空
善き羊飼いの教会はテカポ湖の正面にあり、教会をシンボルに満天の星空を眺めることができ多くの観光客が訪れる人気のスポットです。教会を背景に撮る星空はとても幻想的です。
夜間には多くの星空撮影を求めてたくさんの人たちで溢れています。写真でも分かる通り、教会の周辺は人が多くそのまま撮影すると人が写り込んでしまいます。
観光客のライトが眩しいのでカメラに強い光が当たってしまいます。星空撮影に強い光を放つライトは厳禁ですが、暗闇には手元明かりは必要なので目に優しい波長の短い赤色のライトがあると便利です。
一般のペンライトに100円ショップで売っている赤いセロハンを切り取ってライトにかぶせるとライトが赤くなるので安価に作れます。
あまりに人が多いので教会には必ず人やライトの残光が写ってしまいます。寝静まった深夜に再度足を運ぶ必要があります。
ここ「善き羊飼いの教会」は終始観光客で賑わっているので、インターバル撮影などの長時間撮影などをする際は気を付けてください。
たまにフラッシュで撮影をする人たちもいるので、その光が入らないよう入念に撮影範囲を考慮してください。
また、教会は少し丘高い場所にありますが、すぐ横に駐車場があるため、深夜前は車のライトで眩しくなることも多いかと思います。上記2枚目のように駐車場を背景に撮るのは避けたほうが良いかもしれません。
テカポは世界一星空がきれいな場所として、星空の世界遺産登録を目指しております。近年テカポがより有名になり世界中から観光客が訪れるようになりました。私もその一人です。
日本も都会から離れれば星空が見えるスポットも多々ありますが、やはり都会の光害で影響を受けるため、ここまで素晴らしい星空は世界中を探してもないくらい大変貴重で価値ある場所だと思います。
高度な文明を手に入れた半面、こういった自然の光が失われつつあります。
確かに何もないけど、何もない場所だからこそ、星空観測にとって素晴らしい価値ある場所だと思います。
真夜中の善き羊飼いの教会
明け方前の朝4時頃にもう一度「善き羊飼いの教会」に向かったところ、もう誰もいませんでした。
結局朝の6時まで夜通しで星空撮影をし続けました。たぶんしばらくこんな星空は拝めないと思いましたので。
日本ではまず見ることができない星空に大興奮で本当に最高の時間です。
オフロードで行くテカポからの星空
次に、夕方前にロケハンしたテカポ湖の湖畔に向かいました。ここは誰もいないため、周りを気にせずに思う存分撮影を楽しみました。
未舗装の道を進んでたどり着くことができる場所で、車高が高い4WDが威力を発揮してくれました。
深夜になり東の地平線から月が出て空が青くなります。月明りの影響を受けず天の川がはっきり映りました。それだけ空気が澄んでいるということです。
テカポの星空タイムラプス
撮影状況:
- カメラ: Nikon D750
- レンズ: TAMRON 15‐30mm f/2.8
- シャッタースピード: 25秒または30秒
- ISO感度: 3,200
- f値: 2.8
テカポは比較的晴天率が高く2日に1回は満天の星空を見ることができます。
テカポが星空観測に最適な理由
テカポは世界でトップ3に入るほど、星がよく見える場所といわれております。本当に天の川銀河がしっかりと映ります。様々な条件が完璧に整っているため、ここまで素晴らしい星空が広がります。
- 南半球の大気は北半球の大気汚染が流れにくいため、空気がとても澄んでいる
- テカポの町は外灯の光害対策がしっかりしているため、星空撮影に影響が少ない
- 年間を通して降水確率が少ない
- テカポ湖の周辺に大きな山がないため空の面積が広い
- テカポの町の周辺に大きな街がないため、遠くの場所からの光害が少ない