■グランドサークルについて

グランドサークル(Grand Circle)で必ず行くべきおすすめのシーニックルートまとめ

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グランドサークルの旅で訪れる国立公園巡りに欠かせない長距離運転ですが、ただの移動手段だけではありません。

むしろ、長距離ドライブで訪れる数々の景色や風景もグランドサークルの醍醐味と言えるでしょう。

この記事ではグランドサークルを中心に実際に何度も走った経験から、特に印象に残った場所を写真と共に紹介していきます。

グランドサークルはシーニックルートや展望ポイントが宝庫

アメリカの国立公園巡り(グランドーサークル:Grand Circle)をすると3,000㎞近くも走行することになるが、旅の4分の1は移動時間で費やされます。

国立公園が集中するグランドサークルの道路は特異な景観と自然美により『シーニックルート(Scenic Route)』と呼ばれ、さまざまな場所に点在しています。

また、標高差のある場所では道路沿いに展望エリア(overlook pointやview point)があり、車を停めてアメリカの壮大な景色が眺められます。

道路以外は地平線まで続く荒野が広がり、砂漠地帯で森林が少ないため、全体的に見晴らしの良い道路風景となっています。

グランドサークルおすすめのシーニックルートを紹介

それではいくつかおすすめのシーニックルートを紹介していきます。

I-15沿いの道路

1-15沿い

ラスベガスから北上しSt. George(セント・ジョージ)と言う町までの道路は砂漠と荒野が続く風景となります。

切り立つ崖の合間を進む道路

ヴァージン川で削られた渓谷と同じように道路が続いています。

両サイドは岩盤と地層がむき出しになっていて、今にも崩れて落ちてきそうです。

渓谷の形に添って道路が進んでいるため、蛇行した景観が大迫力です。

ラスベガスを出発地点に時計回りにグランドサークルを開始する場合、最初に見えてくる迫力ある光景がこの場所になるでしょう。

Zion Mount Carmel Highwayのシーニックルート

Zionを通る道

Zion National Park内の道路は全てシーニックルートになっています。

一般道が国立公園内を走っていて深い谷とごつごつとした岩の風景が楽しめるシーニックルートになっています。

UT-9(ユタ州道9号線)が「Zion Mount Carmel Highway」と名称を変え、この一帯の区間は国立公園の入園料(35ドル)の支払いが必須になります。

谷を突き進むザイオンの圧倒的な光景、高低差の蛇行した道、山をくりぬいた狭いトンネルなどが特徴的で、有料でも必ず通るべきおすすめのルートです。

グランドサークルでザイオン国立公園とブライスキャニオン国立公園を経由する場合はこのシーニックルートは外せないルートです。

青い線がZion Mount Carmel Highwayのルート

UT-12沿いの道路

ブライスキャニオン国立公園手前からキャピトルリーフ国立公園までの間にあるユタ州道12号線(TU-12)はグランドサークルを代表するシーニックルートの一つです。

全長約123マイルの道のりは山並みの風景、地層がむき出しの大地、ひらけた高地から眺める風景、赤褐色の大地など、約2時間ほどのドライブで様々な景色を一度に体験できる場所になっています。

UT-12の全貌

■砂岩のトンネル(Red Canyon Arch)

砂岩のトンネル風景

US-12号線の西側エリアはブライスキャニオン国立公園と同様に浸食された砂岩地帯となっていて、『Red Canyon Arch』と呼ばれる砂岩のトンネルを通り抜けられます。

人工的なアーチですが、砂岩のアーチのトンネルが道路はめったになくシーニックルートにふさわしい場所です。

■山岳地帯を突き進む道路風景

山並みの風景

ブライスキャニオン国立公園から「エスカレンテ」という街までの風景は穏やかな山岳地帯が続いています。

UT-12は少しアップダウンがありますが、とても走りやすい道です。

山並みが道路に近く、走る度に移り変わる景色が楽しめます。

蛇行する道

UT-12は蛇行した道が特徴的で数百メール先の風景が見えません。

■マーブル色の様々な地層が混ざった大地

エスカレンテの街を越えると、剥き出しの岩盤の多い地帯を抜けていきます。

白い岩盤にマーブル色が混ざるこの場所は「Head of the Rocks Overlook」と呼ばれ、一帯が白くて硬い岩盤に覆われています。

白い大地

道路は勾配があり、進行方向側は見晴らしの良い光景が広がります。

迫力のある道路風景

この辺りでは一番標高差のある道路で、わずか数百メールの距離にもかかわらず、急激な標高差により道が大きく曲がりくねっています。

標高差は約150メートルもあり、約1900メートルから1750メートル付近まで一気に下っていきます。

60マイルだった制限速度もこの一帯のみ30マイルになります。

シーニックルートの中でも印象深い風景で、ドライブの楽しい場所です。

最も印象に残る風景

曲がりくねった先はまっすぐな道路風景が見えてきますが、白い岩盤と斑に自制する植物の風景がとても印象に残っています。

複雑な地形を進むUT-12はまさにグランドサークルを象徴とするシーニックルートです。

■エスカレンテ川周辺の風景

エスレンテ川手前の道路風景

白い岩盤地帯を過ぎると今度は赤褐色の大地の峡谷を進んでいきます。

迫力のある岩の壁

エスカレンテ川周辺は白い岩盤よりも低く、下層にある赤褐色の岩盤がむき出しになっています。

道路はそびえ立つ岩盤の真横に沿って進み、迫力があります。

■丘の狭い尾根を進む

尾根の道①

UT-12をさらに進むと丘の狭い尾根に沿った道が続き、道路の両サイドは少し崖になっています。

尾根の道②

大地が差別浸食によって傾斜していて、浸食に強い岩盤が尾根として残った場所が道路になっています。

道路の両サイドは半分崖になっていて道を外れると転がり落ちてしまいます。

非常に開放的な光景ですが、蛇行した道と両サイドの崖により心理的に緊張感の増す道のりになっています。

■ディクシー国有林を通り抜ける

山を上る

さらに進んだ先にあるボルダー(Boulder)という町を越えたらDixi National Forrestのある山を登っていきます。

道路沿いから見た光景(奥にナバホ山)

景色は一転し、砂漠地帯から森林の多い高山地帯を進んでいきます。

標高2,900メートル付近(富士山7合目以上)は見晴らしが良く、南東側にナバホ山が見えます。

道路沿いに停車スペースがいくつもあるので時間に余裕があれば立ち止って景色を堪能すると良いでしょう。

山を越えた先の風景

峠を越え山を下るとトーリー(Torrey)の町に辿り着き、そこから先はキャピトルリーフ国立公園になります。

キャピトルリーフ国立公園付近のUT-24(ユタ州道24号線)

UT-24号線のロードマップ

ユタ州道24号線(UT-24)は素晴らしい景色が詰まったシーニックルートでキャピトルリーフ国立公園を通り抜けていきます。

UT-24の風景①

道路はキャピトルリーフ国立公園を縦断していて、両サイドにそびえ立つ赤茶けた岩や地層群を眺めながら進んでいきます。

UT-24の風景②

道路の両サイドはマーブルカラーでいくつもの異なる地層が特異な風貌となっています。

このシーニックルートは国立公園を縦断していますが、入園料を支払わず通り抜けることができます。

そのため、グランドサークルではキャピタルリーフ国立公園を目的でない場合は通り道ですが、敢えてこの道を選ぶ観光客も多いです。

■東側のUT-24

キャピトルリーフ国立公園からI-70へ続く道路風景は一転して灰色の風景と砂漠地帯が広がっています。

灰色の風景

UT-24は西側にあるキャピトルリーフ国立公園を東側に進むと、赤茶けた大地から一転して灰色の地層地帯を通っていきます。

灰色の大地

キャピトルリーフ国立公園を抜けた東側に灰色になった一帯が見えてきます。

これらは石灰質やで泥が堆積し、このような灰色の風景となっています。

あたり一面が灰色となりとても印象深いシーニックルートです。

■ハンクスビル(Hanksville)からI-70へ続くまっすぐな道

まっすぐな道

UT-24沿いにあるハンクスビル(Hanksville)という町から北上し、I-70まで約60㎞ほど真っ直ぐな道が続いています。

道が見えなくなる

遠くに見える道は蜃気楼のように揺らいでいて、道路が空と融合して先が見えなくなっています。

手前を走る車が浮いているように見え、距離感がつかめません。

65マイル(104㎞)の制限速度ですが遠くの景色を見ながら運転するため、速度表示を意識しないと自然とスピード出てしまいます。

US-191号線からモアブまでの道のり

US-191のロードマップ

I-70からUS-191号へ入り、モアブの街へ行く道中はシーニックルートになっています。

■La Sal Mountain(ラ・サル山脈)の風景

La Sal Mountainsが見える

この道を走ると標高3,800メートル級のLa Sal Mounts(ラ・サル山脈)が眺められます。

日本の八ヶ岳のような風景で雪化粧された尾根と麓の森林が美しい山脈です。

そびえ立つメサの大地

モアブに向かう道中にメサ(Mesa)の大地を横目に通り抜けますが、近づくとそびえ立つ巨大な岩壁が印象的です。

メサの大地

このメサの大地の奥に広大な「キャニオンランズ国立公園」があり、350メートル以上の道路との標高差が行く手を阻んでいます。

アメリカの西部劇に出てくるモニュメント・バレー周辺

国道191号線沿いのロードマップ

モニュメント・バレー(Monument Valley)周辺の道路は特にグランド・サークルの中でも一番心躍る場所で、いたる所がシーニックルートになっています。

■折り重なる地層が美しい光景

地層が美しい

モニュメント・バレーとブラフ(Bluff)を結ぶUS-163号線沿いから一際目立つ地層群が見えます。

何層にも重なった地層が斜めに隆起することで地層の断面図がむき出しになり、傾斜によって特殊な風貌が見えています。

■モニュメント・バレーへ続く道

モニュメント・バレーへ続く道

モニュメント・バレーへ向かう北東からのUS-163号線は最も有名な風景です。

通称「Forrest Gump Road(フォレスト・ガンプ・ロード)」と呼ばれ、モニュメント・バレーへ続く一本道です。

グランドサークルでは必ず通る道路で、まっすぐに延びた道路の奥に「King-on-his-Throne(玉座に座る王)」が眺められ、まるでこれから王に謁見するような風景です。

この場所は日中に通りたい道路です。

■■関連記事: モニュメント・バレーへ続く道|US-163号線『Forrest Gump Point』とは?

AZ-89号線沿いの風景

AZ-98のロードマップ

ページ(Page)を中心に東西を縦断するAZ-89号線も素晴らしい道路風景があります。

■ビュートのある風景

Square Butte
名無しのビュート

所々にビュートや小塔があり移動中の風景が楽しめます。

道路は緩やかなカーブが多く、運転に退屈さはありません。

ペイジへ続く道(東側より)

AZ-89号線に西側はグレン・キャニオンが眺められ、開放的な風景がペイジ(Page)まで続いています。

US-89号線沿いの風景

US-89周辺地図

US-89号線沿いはFlagstaff(フラッグスタッフ)からPage(ペイジ)及びKanab(カナーブ)まで続く南北に延びる国道です。

特にPageに近い周辺は壮大な道路風景が広がっています。

■岩と低木の風景

不思議な形の岩山(Page付近)

US-89号線は標高があり、低木と荒野が中心の道路風景が続きます。

■Antelope Pass Canyon

そびえ立つ両サイドの壁

Pageから22マイル(約25分)南下した先に『Antelope Pass Canyon』と呼ばれる両サイドが崖になった場所があります。

時速100㎞くらいのスピードで通り抜けるのでとても迫力があります。

この壁のある場所から急激に下り坂になり、越えると300メートル下に広がる大地が見えてきます。

■Antelope Pass Vista

果てしなく続く遠景

Antelope Pass Canyonを越えた先に展望エリアがあり、そこから広大な風景が眺められます。

眼下には展望エリアから300メートル下の大地が続いています。

右側には標高2,100メートル級のメサの大地が見え、その奥にバーミリオンクリフがあります。

■マーブルキャニオン手前を走るUS-89A沿いの風景

ナバホ・ブリッジ手前の道路風景(US-89A)

US-89A沿いからナバホ・ブリッジに行く手前の道路を走ると奥にそびえ立つ崖が見えます。

空とパリア高原

パリア高原(Paria Plateau)と呼ばれ、2,000メートル以上の標高のある巨大なメサの大地です。

道路沿いから1,000メートル以上高い崖の光景が素晴らしく、シーニックルートになっています。

関連記事: Navajo Bridge(ナバホ・ブリッジ)とは?|コロラド川を歩いて渡る|Marble Canyon

Route 66沿いの道路風景

グランドサークルをしていると「Route 66」は外せません。

1985年に廃線になりましたが、現在も一部の区間を走ることができます。

ルート66のロードマップ

上のマップはグランドサークル中に行きやすい場所のロードマップで、ラスベガスとグランドキャニオン国立公園の間にあります。

I-40からルート66へアクセスできます。

Route 66の看板と道路風景

一昔前のアメリカに戻ったような道路風景で、まさに映画やCMでよく見る荒野と道路のイメージです。

Route 66の風景

道路は色褪せ、ひび割れたアスファルトは補強されていますが、まだまだ現役の道路です。

グランドキャニオンとラスベガス間の一部で少し遠回りをしますが、Route 66沿いを走ることができます。

町の風景

Route 66沿いにある小さな町は昔ながらの田舎町で小さなコーヒーショップやレストランが軒を連ねています。

映画やドラマのロケ地になっていたり、ハーレーで走るなど、知る人ぞ知るメッカになっていて、今でもHistoric Roadとして親しまれています。

並走しながら走る列車

ルート66のすぐそばに線路があり、運が良ければ列車を見ることができます。

ディーゼルエンジン搭載の機関車を5台投入して100両以上の列車を引っ張っています。

グランドサークルのシーニックルートを走る為の予備知識とは?

グランドサークル中のドライブが有意義にための心構えをまとめました。

■車移動は日中にすること

夜間の移動は渋滞緩和や時間短縮につながりますが、知らずに素晴らしい景色を見過ごしています。

まだ名称のついていない場所でも道路の周辺は特殊な地帯が点在しているので、車の移動は必ず日中に移動しましょう。

■路肩に駐車する際は必ずハザードランプを点ける

道路はまっすぐで路肩も十分に停められるでしょう。

路肩に停めると停車した車は遠くを走る他のドライバーからは景色の一部とし視認されにくいです。

路肩に停めると決断した時は停まる前からハザードランプを付けて回りのドライバーに分かるようしてください。

■ガソリンの残量に気を付ける

グランドサークル周辺は給油所は所々にありますが、場所によっては100㎞以上もない場所も多いです。

給油メーターが半分を切ったタイミングで給油所があれば早めの給油を心がけましょう。

■ボトルの水は常にケース単位でトランクに常備しておく

長距離ドライブなので必然的に車内にいる時間が長くなり、水分補給の機会が多いです。

また、グランドサークル周辺は乾燥地帯が多く、想定以上に大量の水分が必要になることでしょう。

夏場は500mlのボトル水を一人1日3本以上の計算をすると、スーパーマーケットでケース買いをしてトランクに常備しておきましょう。

私はグランドサークルでレンタカーをしたらまずはウォルマートなどの大型食料店に行き、必ず水を大量のボトル水を買っています。

<その他のボトル水が重宝するケース>

  • 炎天下の時に熱中症対策で身体にかける
  • 砂で汚れた靴を洗い流す
  • 怪我をした際に傷口を洗う
  • 防塵・防滴カメラのホコリや砂流し

■レンタカーは4WDタイプかSUVタイプがお勧め

車高が高い4WDやSUVタイプは快適で走行もスムーズだけでなく、オフロードや段差のある道など行動の選択肢が増えます。

関連記事: 海外旅行で借りるレンタカーは何故4WDやSUVを選んだ方が良いのか?を参照ください。

まとめ

グランドサークル周辺は素晴らしい景色がたくさんあり、自然豊かな景観が眺めらることからシーニックルートと呼ばれています。

国立公園巡りがメインになりますが、道中は名前すら付いていない絶景がたくさんあり、車移動の最中で出会う景色を眺めたり、車移動自体が非常に楽しい体験になると思います。

今回紹介した場所はごく一部で、まだまだグランドサークル周辺の隠れた名所がたくさんあります。

安全で楽しいドライブの度になることを願っています。

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