グランドサークルの旅も終盤に差し掛かり、旅の序盤がまるで遠い昔のことのように思えて、懐かしさが込み上げてきます。
これまでにどれほどの距離を運転し、どれだけの道を自分の足で歩いてきたのでしょうか。
旅はまだ続きますが、いつか終わりが来ることを思うと、少し寂しさも感じます。
グランドサークル8日目の旅は、モニュメント・バレーで迎えた感動的な日の出に始まり、レンタカーで巡るナバホ族の聖地巡礼、そして夕日に染まるホースシューベンドの絶景まで、心から楽しんだ一日となりました。
■グランドサークル8日目の行程
5:30 | 起床 |
6:15 | 日の出 |
7:15 | ホテル内で朝食(ベーグル、ゆで卵、シリアル、パンケーキ、レーズン、パックフルーツ) 8:19食事終了 |
10:00 | バレードライブ12:45 / ホテル前集合写真 |
12:50 | The View Hotelのギフトショップでお土産を買う |
13:45 | ガソリン給油(モニュメントバレーのシェブロン) |
14:27 | マックで昼食(運転手だけ食べ、あとは行きながら食べる)カイエンタ(出発 14:40) |
15:20(時差変わった) | PageのWalmart(16:15)BBQソース、アップルスナック、BBQソース、サラダ、ブロッコリー&カリフラワーサラダ |
16:30 | ホテルチェックイン |
17:08 | Horseshoe Bend入園(Parking Fee/10ドル) |
19:20 | SAFEWAY(19:49)冷凍チャーハン(紅花)、チキンBBQ、寿司(ロール)、デリチキン(Wing)、フルーツ、ドリンクなど |
モニュメント・バレーで見る最高の日の出|人生の価値観が変わる壮大な風景
朝5時半ごろ起床。
ぐっすり眠れたものの、夜の間ずっと風が吹き荒れていて、ときおり強く吹きつける突風に窓が軋み、不規則な音が響いていた。
前の晩、Premium Cabinの外にカメラを設置し、星空の微速度撮影を自動で行っていた。
起きてすぐ、カメラの様子が気になってキャビンの外へ出てみると、凍てつくような寒さが肌を突き刺す感じでした。
幸い、カメラも三脚もしっかりと固定されており、無事でした。
しかし、カメラ本体はすっかり冷えきっており、アルミの三脚には霜がびっしりとついていました。

東の空、地平線のあたりがじわりと赤みを帯び始め、3つのビュートの奥から、まもなく太陽が姿を現す気配がする。
夜と昼が入れ替わるこの瞬間。空の色は刻一刻と変化し、世界が静かに目覚めていく感じがしました。この時間に立ち会えること、モニュメント・バレーに来てよかったと思いました。
The View Hotelに宿泊している仲間たちも、もう起きているだろうか。
そんなことを思いながら、静かに支度を整え、ホテルの展望エリアへと向かいました。
■モニュメント・バレーで見る、人生で最高の朝焼け

モニュメント・バレーの展望台は、3つのビュートを真東の方向に等間隔で見渡せる、最高のビュースポットです。
特に左側と中央のビュートが赤く染まっていたことから、まもなくその方向から太陽が昇るとすぐに分かりました。
時期によっては、ビュートの真後ろから太陽が昇ることもありますが、今回はちょうど良いタイミングに訪れることができ、本当に幸運でした。
太陽が顔を出すまでのわずかな時間が、まるで永遠のように感じられるほど、待ち遠しく、特別な瞬間でした。

しばらくすると、ついにビュートの間から太陽が姿を現しました。
太陽の強い光にカメラの露出が自動で調整され、写真は一気に逆光の世界へ。
ビュートはくっきりとしたシルエットになり、まるで絵のような光景が広がりました。
まさに、息をのむほどの美しさでした。

地平線から顔を出したばかりの太陽は、まだ強い光を放っておらず、肉眼でもまぶしさを感じることはありません。この瞬間だけが、太陽を真正面から見つめられる、貴重な時間です。
手前から奥へと異なる距離感で重なり合う大地の層。その遥か先に、太陽の輪郭がはっきりと浮かび上がり、この日の空気がどれほど澄んでいるかがよくわかりました。

やがて太陽が完全に昇ると、モニュメント・バレー全体がやわらかな朝焼けに包まれ、一瞬にして夜から昼へと、時間が切り替わったようでした。
この瞬間を立ち会え、遠路はるばる車を走らせて、皆と共に共有できたことは何とも言えない達成感でした。
まさに、「感無量」という言葉がぴったりの朝でした。
■朝焼けの動画風景
■The View Hotelで朝食と散策
展望エリアで感動的な日の出を鑑賞したあとは、モニュメント・バレーを見下ろす The View Hotel で朝食をいただきました。
朝日に照らされた絶景を眺めながら、ほっと一息。

少し混み合ってはいたものの、運よく待つことなくテーブル席に案内され、落ち着いて食事を楽しむことができました。

朝食はコンチネンタルブレックファストで、ベーグル、ヨーグルト、パック入りのフルーツ、スクランブルエッグ、パンケーキ、シリアル、ゆで卵など、簡素なラインナップでした。
「無いよりはマシ」といった印象でしたが、ここでしっかり食べておかないとこの先いつ食事にありつけるかわからないので、選択肢は実質ここ一択。
味よりも腹ごしらえを優先する朝となりました。
The Valley Driveでモニュメント・バレーの聖地を回る
朝食を終えた後は、『Monument Valley Scenic Drive』へ向かいました。
車でモニュメント・バレーの中心部まで進み、ドライブしながらさまざまな絶景を楽しむことができました。
雄大な風景が広がる中、少しずつその魅力に浸りながらのドライブは、心に残るひとときとなりました。
その後、9時前にホテルの部屋に戻り、すべての荷物を車に積み込み、チェックアウトをしました。


『Monument Valley Scenic Drive』の序盤では、前方に広がる3つのビュートが迫力満点で迎えてくれました。その雄大な景色は、心を奪われるほど美しく、進むにつれてますます壮大に感じました。
オフロードは比較的走りやすいものの、車体が小刻みに揺れ、振動がしっかり伝わってきます。それでも、その揺れがまた旅の一部として、ワクワク感を高めてくれました。
Monument Valley Scenic Driveは全長17マイル(約27km)あり、12カ所のビュースポットを巡りながら進んでいきます。一つ一つのスポットで異なる風景が広がり、どこを見ても絶景ばかりでした。

どこに何があるかわかるように、車のダッシュボードに配布された地図を張り付けて、確認しながら行きました。
■とにかく大きなMerrickビュート

序盤の道を進むと、3つのビュートの一番右側にあるモニュメントが目に入りました。
この場所から約1kmほど離れた位置にありますが、その姿は小さく見えるものの、実際にはその圧倒的な大きさに驚かされます。
高さはなんと300メートルもあり、足元の付け根から横幅を測ると600メートルという超巨大なビュートです。
小さく見えても、その規模感は想像以上で、自然の力強さを感じられます。

オフロードは思った以上に荒れており、大きな穴がいくつも開いていて、それらを避けながら慎重に進んでいきました。
道中、車高の低い乗用車では車体を傷つけてしまう可能性があるので、SUVタイプや4WDタイプの車を選ぶのがベストです。
今回はオフロード走行を考慮して、大型のSUVタイプを借りていたので、難なく進むことができました。車内で快適に進むことができたのは、この選択のおかげです。
ただし、砂ぼこりがすごくて、窓を開けると瞬く間に砂塵が車内に入ってきてしまいました。
■John Ford's Pointポイントは最も有名な景色

しばらく走ると、最も有名な『John Ford's Point』に到着しました。
この場所は、西部劇の映画のロケ地としても知られており、映画ファンにはお馴染みのスポットです。
高低差のある高台の先端に立つと、モニュメント・バレーの壮大な風景が広がり、まるで映画のワンシーンの中にいるような感覚に包まれました。

『John Ford's Point』は本当にすごい場所でした。
車から降りると、強い風が吹いていて、帽子が飛ばされそうになるほどでした。
先端近くまで進んでいくと、両手を上げてモニュメント・バレーの広大な大地を全身で感じることができました。
ただ、風と砂が強く、顔に当たって少し痛かったのが難点でした。
眼鏡をかけていたのでよかったですが、もしサングラスを持っていなかったら、目を守るために必須だったかもしれません。
■最東端のArtist’s Pointの風景

砂塵を巻き上げながらさらに進んだ先にある『Artist's Point』に辿り着きました。
ここはモニュメント・バレーの最東端に位置し、ビュートがなくなった地平線が広がる風景が眺められました。視界の先に広がる空と大地の無限の広がりが、心に深く刻まれる瞬間でした。
周囲はとても静かで、風の音以外は何も聞こえません。その静寂の中に立っていると、まるで地球の最果てに立っているような、圧倒的な孤独感と同時に、壮大な自然の力強さを感じました。
■North Window Overlook

遠近感が強調されたビュートの風景が特徴的で、まるで大自然のキャンバスに描かれた絵のようでした。
約3時間弱のドライブを経て、アメリカを象徴するモニュメント・バレーの壮大な風景を存分に楽しむことができました。その旅の中で感じた自然の力強さと、無限に広がる景色は、今でも記憶に残り続けています。

The View Hotel の横にある展望エリアに再び戻ると、順光に照らされた3つのビュートが鮮やかに浮かび上がり、その風景は息を呑むほど素晴らしかったです。
1泊の滞在でしたが、モニュメント・バレーの圧倒的な雰囲気を十分に堪能でき、心に残る旅となりました。
■■関連記事: これがMonument Valley Scenic Drive の全容!|モニュメント・バレー
次の街「Page-ペイジ-」を目指す
最後にホテル内にあるギフトショップでお土産を購入し、ガソリンを給油した後、次の目的地であるPageの街を目指しました。
13時近くになり、お腹もすいてきたので、モニュメント・バレーから南下し、Kayenta(カイエンタ)という町に到着。そこでマクドナルドのドライブスルーでテイクアウトをしてお昼休憩を取りました。
ドライブスルーはかなり混んでいて、大人数の注文が次々と出ていましたが、何だか頼んでいない大きなドリンクが入っていたので、少し驚きました。まさかのサービス?それとも間違いだったのでしょうか…。

小休憩を挟んだのちドライブ再開。
Kayentaからは道路が「US-160号線」から「アリゾナ州道98号線(AZ-98)」に変わり、Pageを目指して進みました。
道路は砂岩と低木の荒野が永遠と続いていました。

道路も次第に車が多くなり、だんだんとPageの街に近づいていることが感じられました。周囲の景色も変わり、街の喧騒が感じられるようになりました。

ようやくPageに到着しました。
Pageではモニュメント・バレーとの間に1時間の時差があり、モニュメント・バレーが15時ならPageでは14時ということになります。時差のことをすっかり忘れていたため、ちょっと得した気分になりました。
その後、ホテルのチェックイン前に夕食の食料を調達するため、ウォルマートに立ち寄りました。
■Hampton Inn & Suites Page, Lake Powellにチェックイン



ヒルトン系列のHampton Innは、まだ新しく、外観からお部屋の内装までとても綺麗な印象でした。
グランドサークルを旅行していると、宿泊施設は外で遊んで帰ってきて寝るためだけの場所になりがちですが、ホテルが綺麗だとそれだけでワクワクします。
Pageではこのホテルに連泊することにしました。街の中心から少し離れた静かな場所にあり、ウォルマートにも近く、主要道路にもアクセスしやすいため、総合的にとても便利な立地でした。
Horseshoe Bendで見たコロラド川と谷の絶景
ホテルに荷物を置いた後、私たちは「Horseshoe Bend」へ向かいました。
宿泊施設から車でわずか5分ほどの距離で、アクセスも非常に便利でした。

「Hwy 89」を南下していくと、右側にHorseshoe Bendの看板が見えてきます。その看板を目印に右折し、入場ゲートに向かって進んでいきました。

入園ゲートで10ドルを支払い、空いているパーキングスロットに車を停めてから、Horseshoe Bendへ向かいました。
この時、夕方の17時頃で、後続の車が次々と訪れ、どんどん新しい来訪者がこの場所を目指して来ている様子でした。
少し混雑し始めていたので、早めに到着してよかったと思いました。

駐車場からは高低差のない舗装された道が続いていて、車いすやベビーカーでも問題なく進むことができるようになっていました。
以前と比べて高低差が全くなく、アクセスが格段に改善されていて驚きました。おかげで、観光客がたくさん訪れるのも納得です。
夕方前で、西側に向かって歩いていたため、西日が眩しく感じました。
夏の時期になると、日陰のない場所を歩くことになるので、短い距離でも水分補給や帽子、サングラスは必須だと思いました。
■Horseshoe Bendの風景

崖の先端に慎重に近づくと、上のようなHorseshoe Bendの全景が目の前に広がりました。
蛇行したコロラド川が馬の蹄のような形をしていることから、この場所はその名前がつけられたそうです。
左右対称に見事な形をしたコロラド川と、深く削られた赤茶けた渓谷の調和がとても美しく、まさに大自然の力を感じる瞬間でした。
日没1時間前の風景で、太陽が地平線に近づくにつれて、大地全体が黄金色の夕日に照らされていました。残念ながら、太陽は雲に隠れてしまい、これ以上の夕日を楽しむことはできませんでしたが、それでも十分に素晴らしい光景でした。
ちなみに、コロラド川は右側から流れています。
■展望エリアはむき出しの崖

観光客はそれぞれ、素晴らしい景色を楽しんでいましたが、立っている場所は300メートル以上の崖の先端に位置しています。
その高さを改めて実感すると、少しドキドキしながらも、大自然の雄大さを全身で感じる瞬間でした。

皆が立っている場所は手すりも何もない崖の先端で、高所が苦手な人にとっては、行くのを躊躇してしまうような光景だと思います。
目の前に広がる壮大な景色に圧倒される一方で、足元の不安定さや高さがさらにその迫力を増しているのを感じました。

展望エリアの中央には安全のためのフェンスが施されていたので、子供たちも安心して景色を眺めることができました。
両手で鉄格子をしっかりつかみ、眼下に流れるコロラド川をじっと見つめている姿が印象的でした。
展望エリアでは約30分ほど滞在し、この壮大な景色を堪能した後、次は夕食の買い出しに向かうことにしました。
■■関連記事: ホースシューベンドの歩き方 | 行く前に知っておきたい7つの事前知識
■Safewayで食料調達と部屋の中で食事
Horseshoe Bendを出て、すぐにPageにあるスーパーマーケット「SAFEWAY」に向かいました。

日没を迎え、だいぶ暗くなってきました。
スーパーでは冷凍チャーハンや丸ごと1羽のローストチキン、ロール寿司などを購入し、部屋で皆で食事を楽しみました。
「紅花」と書かれた冷凍チャーハンは、生涯で1、2を争うほど「まずさ」を体験することとなりましたが、それでも旅行中にしか味わえない現地のスーパーの味を体験するのも、ひとつの楽しみだと思いました。
■8日目の食事内容
- The View Hotelの宿泊施設の朝食会場で食事(シリアル、パン、卵、フルーツなど)
- Kayentaのマクドナルドで昼食
- ハンプトンイン(ホテル)で夕飯(SAFEWAY)
■8日目の走行距離:

160マイル(256キロ)
■8日目の総歩数:
15,522歩(11.46㎞)