この記事ではニュージーランド旅行4日目の旅行記で、車でテカポからマウント・クック国立公園に行き『Hooker Valley Track』を歩いた体験をまとめています。
マウント・クック国立公園は万年氷河が残る山と谷と湖の風景が美しいニュージーランドの代表的な国立公園です。
マウント・クックの代表的なトレイル『Hooker Valley Track』の執着地点で見た氷河を紹介します。
旅の見どころ
- プカキ湖からマウント・クック国立公園までシーニックルート
- 道路を縦断する羊の群れ
- Hooke湖の先にある氷河の絶景
マウント・クック国立公園の行き方
テカポからマウント・クック国立公園まで片道107㎞で所要時間は約1時間15分ほどの道のりです。
『Twizel - トワイゼル』という、マウント・クック国立公園に一番近い町があり、宿泊施設が充実しているので、宿を探すならこの町もおすすめです。
テカポを経由する国道8号(Tekapo Twizel Rd)をプカキ湖側に進み、国道80号(Mount Cook Rd)を北上するとマウントクックの入り口に到着します。
往復で200km以上の車移動になるので、テカポでガソリンを十分に補給してから向かいましょう。
クイーンズタウンやクライストチャーチからマウント・クック国立公園のアクセスは?
日帰りで主要都市のクイーンズタウンやクライストチャーチから行くのはかなり厳しいです。
たどり着いたとしてもマウントクックの滞在時間は1時間も満たないでしょう。
- クライストチャーチから:片道4時間30分
- クイーンズタウンから:片道3時間30分
- ※テカポから:片道1時間15分
早朝に出発しても滞在時間がほとんど取れないため、マウント・クック国立公園へはTekapoやTwizel、またはマウント・クック国立公園内の宿泊施設で最低1泊は必要です。
国立公園内の宿泊施設は団体ツアーなどで大部分の客室が押さえられているため、個人で予約が取りにくいです。
一方のテカポであれば予約が取りやすく、移動距離も短いため総合的にテカポを拠点にすることが合理的です。
マウント・クック国立公園までの道のりの風景
プカキ湖を越えて北上する道はシーニックルートで、雪化粧された山やプカキ湖の景色を見ながらドライブして行きます。
道中は放牧された羊の群れを横目にのどかな自然の風景が広がりますが、運が良ければ道路を縦断する羊の光景が眺められます。
道路はしっかりと舗装され、とても走りやすく、常時80㎞/hの速度は出せます。冬場だったため車通りも少なくスムーズでした。
晴れているとプカキ湖の奥にマウント・クックが見えます。標高3,724メートルで富士山とほぼ同じ標高です。
目的地まで近いようで実は結構遠くの景色まで視認でき、ニュージーランドの空気の透明度が高いことがよくわかります。
道路は山の麓に沿って進んでいきます。
常にマウント・クックを正面に北上していきます。運転中に見えるマウント・クックが一番よく見えるのではないでしょうか。
羊の群れに遭遇
マウント・クック国立公園の手前付近で羊の群れが道路を横切る光景に遭遇しました。
羊の群れが目の前で道路を横断していきます。
前を歩く羊について行きながら道路を横切って行きますが、群は100頭以上もいるので中々終わりません。
ニュージーランドではあるあるの光景だそうですが念願のSheep Crossingを見ることができてとても感動しました。
Sheep Crossingは途切れることなく10分くらい続きました。到着時間は遅れましたが嬉しいハプニングです。
マウント・クック国立公園
ようやく目的地に到着しました。
マウント・クック国立公園の特徴
ニュージーランド南島にある国立公園です。1953年に国立公園に制定され、1990年にユネスコの世界遺産に登録されました。
岩と氷で覆われた19の山々が織りなす大地で、国立公園全体の40%ほどが氷に覆われており、手つかずの自然が残る国立公園です。
マウント・クックをはじめ、3,000メートル級の氷河に閉ざされた山も含め、点在する湖へ続くトレイルを歩きながら湖や氷河の絶景を楽しむことができます。
マウント・クック国立公園の気候
プカキ湖からマウント・クック国立公園周辺は複雑な山と谷の影響で天気が急変しやすく、予測しにくい場所です。
そのためマウント・クック周辺の天気を調べても予測と異なることがよくあります。
マウント・クックの年間降水量は多く、分厚い雲で山が見えない日が多いそうです。
そのため、晴れの日を見ようとマウント・クック国立公園内のオフィシャルホテルで連泊する宿泊客も多いようですが、数日泊まっても山を見ることができない日もあるくらい、晴天率の低いエリアで有名です。
マウント・クック国立公園の年間の気温
マウント・クックの麓は年間通して涼しい気候です。一番暑い時期は1月で最高気温24℃/最低気温11℃ほど、冬の時期は6月から7月で最高気温9°/最低気温氷点下5℃となります。(国立公園の入り口付近の平均気温)
日本が夏の時期はマウント・クック国立公園では冬の時期です。風も強いため体感温度はより低く感じるでしょう。
マウント・クック国立公園内に到着したら
マウント・クック国立公園は宿泊施設周辺とトレッキング以外はほぼ自然のままなので、車で国立公園を巡るのではなく、基本的には自分の足で歩いて楽しむタイプの国立公園です。
そのため、トレッキングの出発地点の駐車場が車で行ける終着地点になります。今回は一番人気の『Hooker Valley Track』を歩きました。
トレイルを歩く際は車でWhite Horse Hill Campsite(←クリックでGoogle mapへ)と呼ばれるキャンプ場まで向かいます。
ここで車を停めれば、すぐにトレッキングの入口があるので、車で向かう際はここを目的地にしましょう。
トレッキング初心者でも安心!Hooker Valley Trackで氷河と湖を楽しむ
ニュージーランドは国土の3分の1が自然保護区で、マウント・クックもユネスコの世界遺産に登録されています。
公園内はいくつもトレッキングコースがありますが、時間も限られているため、今回は手軽にトレッキングが楽しめるHooker Valley Trackの終着地点から見る氷河を眺めました。
■Hooker Valley Track(フッカー・バレー・トラック)の情報
- 往復:3~4時間
- 距離:往復約10 km
- 標高差:約100メートル(ほぼ平坦な道)
トレイルはスタート地点から終点との標高差がほとんどなく、初心者でも十分安全に歩くことができるトレイルです。
私たちは13:15分頃に到着したため日の入りまで3.5時間ほどしかなく、少しペースを早めて3時間ほどで往復しました。お勧めの時間帯は10時頃に出発し、お昼間に戻ってこれるようなスケジュールが望ましいかと思います。(ニュージーランドの6月と7月は日照時間が短いため)
必要な持ち物
- ボトルウォーター(一人1リットル)
- 手袋
- ウインドブレーカー&防寒着
- 使い捨て程度のレインコート
- トレッキングシューズ
水は必須です。冬の時期は空気が乾燥しているため、のどが渇きます。夏の時期は気温も上がりますので、水は重さの負担にならない範囲で多めに持って行っていきましょう。
トレッキングシューズまたは運動靴は必要なので必ず用意しましょう。その他はその時のコンディションで事前に準備しておきましょう。
トレイルは所々段差はありますが、しっかりと舗装されており非常に歩きやすいです。
午後からの出発だったためほとんど人はおらず、戻ってきた人々とすれ違うくらいでした。冬の時期なので観光客は少なめかと思います。オフシーズンの特権です。
出発してから15分後くらいで吊り橋が見えてきました。Hooker 湖までは吊り橋を3つ渡った先にあります。まずはその一つ目です。
フッカー川です。川の水が薄い青色をしています。氷河によって岩盤が細かく削られた粉砕粉が水に溶け込んだため、このような特徴的な青色をしております。氷河のパワー恐るべしです。
大昔はこの渓谷も一面氷河に覆われた大地だったと推測できます。氷河期が終わり、押し出された氷河の大移動で削り取られ、溶けだした氷河の水で大地を深く削り、現在の姿になっています。
氷河に覆われた3,200メートル級の「セフトン山」が見えます。氷河はものすごい圧力で押し固められているため、氷に空気がほとんど入らず、光の屈折で氷河の氷はより青く見えます。
1つ目の吊り橋を越えました。吊り橋で渡ることができる最大人数は20名までのようです。一人でも渡れば吊り橋はその振動で揺れます。高所が大好きなので、吊り橋の揺れる感覚は大変心地よかったです。
さらに30分ほど歩くと2つ目の吊り橋が見えてきます。2番目の吊り橋は高さや距離は随一でスリル満点です。
2つ目の吊り橋を越えると湿地帯を進んでいきます。象徴となるマウント・クックが正面に見えます。
この日は雲が出てきたので雲に隠れてしまいました。
たまに雲がなくなり、頂上が見える時があります。マウント・クックは富士山と同じくらいの標高ですが、その山は険しく強い風と低温の極地のため登頂が難しい山で有名です。
今までに200人ほどの登山者が命を落としています。
Hooker湖から見た氷河の絶景
3番目の吊り橋を渡ると、10分ほどでHooker湖にたどり着きます。急ぎめで向かったので片道の所要時間は1時間15分くらいでした。
Hooker湖の奥に見えるのが、マウント・クックです。Hooker湖は氷河から溶け出た水が溜まってできた湖です。
湖の奥には氷河の先端が見えます。氷河の厚さは感覚的には20メートルほどでしょうか?これでも半世紀前は氷河はもっと分厚く、氷河の先端がもっと手前にあったようです。
氷河には両サイドの山からの砕けた岩石が堆積しています。これは気温上昇による温度変化で氷河が解け、山が崩れ堆積しているのです。
地球温暖化の影響かと思いますが、近年氷河の溶けるスピードが加速しているとのこと。近い将来この素晴らしい氷河の絶景がなくなってしまうのでしょうか。
Hooker 湖からの風景です。青い湖とマウント・クックの絶妙な色合いがきれいでした。写真左側に氷河が崩れた一部がHooker湖手前まで漂流しています。
この日は強風だったため、張っていた氷が風で岸まで押し上げられて堆積していました。
マウント・クック国立公園は自然そのままを感じることができる国立公園です。トレッキングをしながら氷河の大地を五感すべてで体感できます。ニュージーランドの南島を訪れる際は1日使って足を運んでください。