ダブル・アーチはアーチが二手に分かれた珍しい形をしています。
『ザ・ウィンドウズ』と呼ばれる国立公園の中部エリアにあり、駐車場から短い距離でアーチの真下まで歩けることから、人気のアーチです。
この記事ではダブル・アーチの概要、トレイルの道のり、風景、異なる角度から見るアーチの景色やアーチがどのように形成されたかなどを交えて紹介しています。
ダブル・アーチとは?そして形成の過程とは?
浸食の過程で通常は穴が広がって橋のような形になりますが、ダブル・アーチは浸食によって空洞が広がり、一つの支点から橋が二手に分かれたような形をした珍しいタイプのアーチです。
大昔に二つのアーチの間の上部は砂岩で覆われていたが、その場所に雨水が溜まるくぼみ = Potholeができ、徐々に浸食していきプールのように水が溜まっていきました。
その後溜まった水は更にプールの底の砂岩を侵食し、真下に突き抜けて徐々に空洞が広がり、今のような空が見えるほど大きな穴が空いたと言われています。
アーチは国立公園で3番目に長い49メートルで、高さは33メートルで国立公園で一番高いです。
一昔前は『Double Window』や『Twinbow Bridge』などと呼ばれていました。
ダブル・アーチまでの道のりと風景について
ダブル・アーチまでは駐車場からのアクセスが簡単で片道たったの450mです。
◼️出発地点より
トレイルヘッドからダブル・アーチまでは1本道で出発地点からアーチがよく見えます。
トレイルの高低差はほとんどなく、難易度も『簡単=Easy』なので気軽に行くことができるでしょう。
■終盤地点
ダブル・アーチが徐々に近づいてきました。
後半の道は浸食で削れた砂岩が砂浜のように堆積しています。
近づくにつれてアーチの大きさと高さに圧倒されることでしょう。
■ダブル・アーチの正面
立体的な形をしたダブル・アーチが特徴的で手前にあるアーチと左側奥にあるアーチが見えます。
アーチの真下は浸食で剥がれ落ちた大きなが岩が堆積していて、それぞれのアーチもよく見ると亀裂が目立ちます。
雨で流れた跡なのか?周りの砂岩が黒く線のようになっており、浸食の影響を物語っています。
更にアーチの真下に行くと見る角度によって全く異なるアーチの風景が見えてきます。
■真下から大きな穴を見上げた姿
ダブル・アーチを真下から見上げると大きな穴がぽっかり空いていて、空がよく見えます。
空へ突き抜ける穴は実は丸くなく、三角形のような形をしていました。これも真下に行って初めてり知りました。
■ダブル・アーチの中から見た風景
ダブル・アーチの真下に行き、少し岩を上るとアーチの中からダイナミック風景が楽しめます。
2つのアーチが繋がる柱と外へ続く絶景がすごいです。
アーチの真下から来た道を正面に眺めると奥にあるウィンドウズの光景や雪化粧されたラ・サル山脈が見えます。
遠くに見える浸食されて柱になった砂岩地帯が幻想的な光景です。
■アーチのウィンドウズからの景色を眺める /(高所が苦手な方は注意)
ダブル・アーチの奥側のウィンドウに登れますが、写真のようにかなり急な崖を登ると、その先にある景色を見ることができます。
ただし、クライミングの技術と高所を登る度胸が必要です。体力に自信が無い方や高所が苦手な方は難しいでしょう。
両手を使わないと登れないため、実際に見て登れるか判断してください。
行った人しか味わえない特別な景色です。手前にそびえ立つ砂岩のビュートと奥に広がるアーチーズの大地との遠近感が壮大です。
景色を見終わった後は気を付けて降りてください。岩は滑りやすく足を踏み外すと数メートル下に落下するので降りる際は気を付けてください。
ダブル・アーチトレイルと駐車場などの周辺情報
■ダブル・アーチ・トレイルの詳細
ダブル・アーチ・トレイル | 片道450m / 往復900m |
駐車スペース | トレイルヘッドに約20台分 / 反対側に50台分 |
トイレ | あり |
トレイルの難易度 | Easy |
HP情報 | https://www.nps.gov/places/double-arch.htm |
ダブル・アーチ・トレイルの難易度は簡単です。距離も短いため夏は熱中症対策としてボトル水を携帯し、日よけの帽子やサングラスなどで対策を取りましょう。
人気の観光地スポットですが、トレイルヘッドにある駐車スペースは20台分と少なめです。
万が一、満車の場合は反対側に50台くらい停められる駐車スペースがあり、そこからトレイルヘッドまで片道約200メートルくらいです。
ダブル・アーチに行く前に知っておきたい事前知識とは?
ダブル・アーチに行く前の予備知識や特徴をまとめました。
■お勧めの時間帯は?
お勧めの時間帯は朝からお昼間です。ダブル・アーチは真下から見上げる空へ続く大きな穴が見どころで、空が青くなる朝からお昼間にかけての時間帯が綺麗に見えます。
■トレイルの外から出ないで
トレイルの外側は微生物によって形成された土壌がたくさんあり、足を踏み入れると環境が破壊されてしまいます。
トレイルの周りには珍しい植物や岩がありますが、興味本位でトレイルを外れてしまうと周りの生態系に影響するためトレイル以外の道は決して歩かないでください。
■同エリアにあるウィンドウズとセットで訪れやすい
ダブル・アーチはザ・ウィンドウズ・エリアの一角にあり、道路の反対側に有名なノース・ウィンドウ、サウス・ウィンドウ、そしてタレット・アーチがあります。
セットで訪れると良いでしょう。
■所要時間は?
30分くらいで回れます。トレイルの片道は450メートルの5分ほどの距離で、その後ダブル・アーチを15分くらい滞在した場合の目安時間です。
隣にあるメインのウィンドウズ・トレイルを歩くと更に1時間くらい掛かるので、このエリア全体を観光する場合はトレイ休憩含めて2時間くらいの所要時間を計算しておくと良いでしょう。
■ダブル・アーチ周辺の砂岩のパノラマビューも壮大
ダブル・アーチ周辺は複雑な砂岩がたくさんあり、どれも異なる風貌です。どの岩も浸食されて解けたロウソクのような形をしています。
トレイルヘッドから眺める光景も見どころです。
■アーチの真下は頭上に注意
アーチの真下に行くことができ、ダイナミックな光景を中から見れますが、アーチの真下は砂岩の破片が崩れてくる場合があるので気を付けてください。
もし、落ちてきたら大変珍しい時期に遭遇したと思ってください。
■ダブル・アーチを撮影するなら超広角レンズやスマホがお勧め
ダブル・アーチの真下まで来るとその大きさに驚くことでしょう。そして一般の画角では写真にダブル・アーチの全体を撮ることは困難です。
一眼レフの場合は15㎜以下の超広角領域をカバーしたレンズでないと全貌が写りません。一方の、最近のスマートフォンは優秀で超広角領域のカメラ機能が備わっているのでしっかり収まります。
実際にこの記事の写真の大半はスマートフォンの超広角領域で撮影した画像です。
■岩壁を登ってウィンドウに行く場合
崖から滑り落ちたり踏み外して落下する可能性があるので行く際は十分に気を付けてください。
私は一眼レフ片手に登ろうとしましたが、両手を使わないと登れませんでした。
カメラのストラップを肩にかけて登りましたが、ずれるとカメラが砂岩にぶつかり故障するかもしれませんので、登る際はカメラの取り扱いに十分注意した方が良いでしょう。
できれば登るときはカメラは持たず、スマホのみを携帯していくことを勧めます。
まとめ
ダブル・アーチは通常のアーチと変わった風貌をしているだけでなく、異なる浸食の過程でできたアーチです。
近くに行くとアーチの色々な姿を見ることができます。それぞれのアーチの厚さや浸食具合が異なっていたり、アーチの真下から眺めると別の風景が見えてくるので非常に面白いです。
手前と奥にあるアーチが立体的な形をした地形は膨大な年月をかけて今日の姿になっていますが、このような不思議なアーチを造る自然の力はすごいと感じます。
場所はザ・ウィンドウズのエリアにあり、駐車場から短い距離で目の前まで行き、アーチの真下から景色を眺めたり登ったりして楽しめます。
他にもいくつかダブル・アーチと呼ばれるアーチがありますが、ザ・ウィンドウズにあるダブル・アーチが一番簡単に行けるため、是非立ち寄ってみてください。
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