■グランドサークルについて

Lower Antelope Canyonの風景と概要|砂岩の地下迷宮|アンテロープ・キャニオン

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アンテロープ・キャニオン(Antelope Canyon)は砂岩の地層が鉄砲水や風の浸食で形成された渓谷で、2000年代より急速に人気に火が付いた観光スポットです。

ナバホ保留地にあり現地ナバホ族が管理・運営しています。

最近は設備が充実し昔に比べ、訪れやすくなりました。

アンテロープ・キャニオンに入るには必ず現地のオプショナル・ツアーに申し込み、ツアーガイド付きでないと行くことができません。

この記事では、アドベンチャー要素の強い『Lower Antelope Canyon』の概要や風景、行き方からその他事前に知っておきたい予備知識をまとめました。

Antelope Canyon(アンテロープ・キャニオン)とは?

アンテロープ・キャニオン(Antelope Canyon)は砂岩地層が鉄砲水や風により長い年月をかけて削られ、形成された小規模の渓谷です。

砂岩の壁は美しい曲線を描いていますが、自然に起こる浸食作用で生じたとは思えないほど神秘的な光景です。

渓谷内は人が通れるくらいの道幅しかなく、両サイドにそびえ立つ砂岩の壁の間を縫うように歩いて進んでいきます。

場所はアリゾナ州北部Page(ペイジ)近郊のナバホ保留地内にある砂岩地帯で、現地オプショナルツアーでのみ内部に入ることが許さています。

Lower Antelope Canyon(ロウアー・アンテロープ・キャニオン)について

今回ツアーで行ったLower Antelope Canyonは地上から階段を降り、蛇行した狭い渓谷の中を歩いて進んでいきます。

コースは完全な一方通行で、狭い通路、段差、そして頭をかがめないと通れない所など、適度な体力が必要で洞窟を探索するようなアドベンチャー感の強い内容になります。

しかしながら、両サイドにそびえ立つ砂岩の曲線美や、時たま見える青空と砂岩のコントラストが美しく、フォトジェニックな光景が終始訪れる観光客を魅了します。

Lower Antelope Canyon(ロウアー・アンテロープ・キャニオン)の行き方と位置について

Antelope Caynonの場所

Lower Antelope CanyonはPageの中心から車でアリゾナ州道98号(AZ-98)を東に進み、左折した先に駐車スペースがあります。

一方、Upper Antelope CanyonはAZ-98を右折した先にあります。

オプショナルツアー会社によって、どこで集合するかは異なります。

■Antelope Canyonは3ヵ所ある

アンテロープ・キャニオンは全部で3ヵ所あります。

  • Upper Antelope Canyon
  • Lower Antelope Canyon
  • Antelope Canyon X

UpperとLowerは比較的近い場所にありますが、Antelope Canyon Xは少し離れています。

その中でも行きやすく見どころ満載なUpperとLowerが人気です。

Lower Antelope Canyonのツアー体験|

過去にUpper Antelope Canyonに行ったことがありましたが、今回Lower Antelope Caynonに行きました。

現地のオプショナルツアーは『Dixie’s Lower Antelope Canyon Tours』を利用し、旅行前にオンラインで予約をしました。

Lower Antelope Canyonの目の前に受付があるので、レンタカーで自走し、そのまま歩いてツアーに参加でき、且つ料金も他と比べて良心的だったので総合的に便利でした。

Dixie’s Lower Antelope Canyon ToursのHPはこちらから→ : https://www.antelopelowercanyon.com/

HPは視覚的に分かりやすく、希望の日程と時間帯を選択し、代表者の名前を入れオンライン決済で予約ができます。

予約が完了したら、予約番号の記載されたメールや画面を念のためプリントアウトして持っていきます。

■ツアー会社より決められた場所まで自力で行き、ツアー開始45分前までに受付を済ませる

Dixie’s Lower Antelope Canyon Toursの建物

ナバホ族が管理・運営するツアーは時間に厳しく、ツアー開始の45分前までに受付を済ませなければなりません。

少しでも遅れると予約がキャンセルされることがあるので、少なくとも1時間前に現地に到着し、ツアー時間の45分前には受付を済ませてください。

このツアー会社はLower Antelope Canyonの目の前にオフィスを構えていて、Google Mapで場所を調べれば簡単に辿り着けます。

駐車場は建物前であればどこでも停められます。

ツアーの受付付近

8角形の建物に入ると右側に受付カウンターがあり、予約番号と名前を伝えて受付を済ませましょう。

ツアー中に万が一の事故があった際の免責同意書に署名します。

行く場所は完全に自然の中になり何が起こるか分かりません。

万が一崩落や鉄砲水、ツアーガイドでも回避できない不慮な事故などに対しての同意となります。

受付後はツアー時間になるまで奥の広場で待機するように指示が入ります。

受付時間まで待つ広場

建物を奥に進むと小さなギフトショップがあり、右手に広いベンチ付きの広場があるので時間になるまで待ちましょう。

建物内にはトイレがあるので事前に済ませておきましょう。

■Lower Antelope Canyonツアー開始

何組かに分かれてツアーが始まる

広場には50~60人くらいが待っています。

その場で15人以下のグループに分かれてツアーガイドが1名付き、順番に出発していきます。

ガイドツアー開始

このオプショナルツアーは英語のみで通訳機はつきませんが、英語がわからなくてもアンテロープの雰囲気は十分に伝わりますので気兼ねなく行きましょう。

出発開始地点から細かい砂の上を歩いて行きます。

この時点で靴の中に砂が入ってきます。

この建物まで地上を歩く

出発から約600メートル弱歩くと屋根が付いた建物が見えてきます。

Lower Antelope Canyonに潜入:砂岩の地下迷宮

Lower Antelope Canyonへ続く階段

ここから一気に階段で一番下まで降りて行きます。

「Lower」と名前が付く理由は大地の割れ目の中に降り、地上よりも下にある砂岩の狭い通路を探索することから付けられています。

人工の階段で約35メートル程降りて行きますが、これはビル5階分に相当し、かなり深く降下することを意味しています。

急勾配な階段の風景

Lower Antelope Canyon(ロウアー・アンテロープ・キャニオン)の最初に降りる階段はとても急で、階段と言うよりは『ハシゴ』で、急な階段になっています。

前から降りると結構危ない場所もあるので、一部の階段は後ろ向きでゆっくりと降りることを勧めます。

階段を下りる動画を添付しましたので、いかに急な階段か様子が分かります。

Lower Antelope Canyon Ladder Scene

Lower Antelope Canyonの風景とは?

Lower Antelope Canyonの風景①
Lower Antelope Canyonの風景②
一部は非常に狭い道がある

Lower Antelope CanyonはUpper Antelope Canyonよりも狭く、段差のある道や姿勢を低くしないと通れない場所が点在しています。

一部空が見える

螺旋を描いた両サイドの岩壁を見上げると所々に青空が見え、地上の光が間接的に砂岩の空洞を色鮮やかに照らしています。

LowerはUpperよりも天井までが高く、太陽の光が足元までに届きません。

したがって太陽による光芒(こうぼう)はLowerでは見ることができません。

Lower Antelope Canyonの風景③

この地下空洞の凹凸の壁は、幾度となく押し寄せる鉄砲水によって繰り返し削られ、膨大な年月をかけて形成した自然由来の風景となります。

全て横縞模様

水と風によって削られることで、地下空洞の砂岩は綺麗な横縞模様となっています。

今も時たま鉄砲水がアンテロープを浸食し続けていて、いずれは地下空洞は更に広がり、やがて存在そのものが無くなってしまうとのことです。

Lower Antelope Canyonの風景④

一部の探索では頭を低くして進んでいきます。

1メートル進むごとに異なる風景が見えてきて全く飽きません。

時々後ろを振り返るとまた違った風景が見えるでしょう。

カメラのバッテリー残量やメモリー、スマホの充電を十分にしておかないと後悔するくらい撮影することでしょう。

Lower Antelope Canyonの風景⑤

いくらか身体を乗り出して進む場所もあり、腰や肩に大きなカメラを提げていると壁にぶつかり故障の原因になるだけでなく、Antelope Canyonを傷つけてしまう要因になります。

Lower Antelope Canyonの風景⑥

上部に自然光が多く入ることで立体的な砂岩の壁はよりコントラストの強い風景になります。

Lower Antelope Canyonの風景⑦

探索も終盤に差し掛かるとだんだんと地上に向かって上り坂になり、空が近づいてきます。

ちなみに、浸食の原因となる鉄砲水は進行方向からやってきます。

したがって、手前から水が流れ込む為、最初の入り口付近は地上より深くなっています。

Lower Antelope Canyonの風景⑧

出口付近の階段が見えてきました。

太陽高度が高い正午前後の時間帯は差し込む太陽の光が強すぎて、写真映りが悪くなります。

出口付近

ようやく地上に出てきました。

外に出てようやく気付きますが、岩の割れ目の隙間から上がってきます。

鉄砲水は更に上流から流れ、この割れ目に流れ込んできます。

全体のツアー時間は約1時間強ですが、とても貴重で神秘的な体験でした。

私はUpper よりもLower Antelope Canyonが面白く、写真も撮るならこちらがお勧めです。

Lower Antelope Canyonに行く前に知っておきたい予備知識とは?

Lower Antelope Canyonを最大限楽しむ為に知っておきたい予備知識をまとめました。

■Antelope Canyonの名前の由来とは?

AntelopeとはPronghorn Antelopeと言う角を持つウシ科の動物がこの地に群れでいたことから『Antelope Canyon』と名付けられています。

■事前の予約は必要か?または当日の予約は可能か?

事前予約は必須です。Antelope Canyonは安全上の理由とナバホ族の土地により、ガイド無しでは行けません。

また、ツアーガイドは直前の人数の把握と安全のために事前にゲストの詳細を確認しています。

ナバホ族が運営している現地のオプショナルツアーは豊富にありますが、どこも似たようなプランが多いです。

Lower Antelope Canyonのツアーに特化し、すぐ目の前にオフィスを構えている『Dixie’s Lower Antelope Canyon Tours』で予約をしましたが、とても分かりやすくて便利でした。

ツアー会社によっては当日予約を受け付けている場所もありますが、繁忙期は当日現地の窓口に行っても予約が取れない方が高いので行き当たりばったりの計画は止めておきましょう。

■小さな子供(3歳以下)は行ける?

Lower Antelope Caynonに年齢制限はありませんが、抱っこ紐やベビーキャリーなど、大人とくっついて行ける0~3歳未満までがベストです。

一方、自由に歩けるようになる3歳や4歳は段差や狭くて暗い通路を怖がることもあり、ツアー中は子供の面倒を見ながらのサポートが難しい状況になると思います。

特に最初のハシゴが結構急で小さな子供は怖がってしまいこともあるかもしれません。

ツアーは団体行動なので途中で引き返すことはできず、子供が嫌がってしまうと相当困難な状況に陥ります。

私の場合、ツアー参加当時、2歳7か月の子供を抱っこ紐に付けて行きましたが、幸いにも本人は楽しんでいたので良かったです。

■ツアーの所要時間は?

出発してから戻ってくるまでの全体の所要時間は約1時間~1時間15分くらいです。

ただし、受付はツアー開始45分前には済ませていなければならず、駐車場に着いてから逆算すると2時間30分くらいは時間が掛かると覚えておきましょう。

■お勧めの時間帯は?

Lower Antelope Canyonは朝一の時間帯か、夕方前の時間帯が良いと言われています。

理由は太陽が昇り切らない時間帯の方が空洞の風景が綺麗に見えるからです。

また季節の観点から、真夏は40度近くまで気温が上がるので昼間の時間帯は避けて午前中の早めの時間で予約をしましょう。

■Lower Antelope Canyonで光芒(こうぼう)は見えるか?

Lower Antelope Canyonでは光芒は見えず、光芒を見たいならUpper Antelope Canyonで太陽が昇る時間帯で予約が必須です。

また、写真でよく見る光芒は砂を手で巻き上げた砂煙に太陽の光が当たり、光の柱のようになった人工的な演出になります。

■持ち込めない荷物について

Lower Antelope Canyonは狭く、砂岩の壁を傷つけてしまうことを避けるため、持ち込みが厳しく制限されています。

  • カバン、ザック類全て(クリアケース類含む)
  • GoProなどのアクションカメラ
  • 三脚、一脚、自撮り棒
  • つま先が尖っている靴、サンダル、ヒールなど
  • ペット
  • トレッキングポール
  • ドローン

上記アイテムは持ち込みが禁止されています。

■持ち込めるアイテムについて

  • カメラ、スマホ(複数台の持ち込みは注意されます)
  • ボトル水
  • パスポートや財布などの貴重品(ポケットに入れるか、ビニール袋程度)

腰につけるポーチなども持ち込めません。貴重品は車の中で厳重に保管するか心配ならパスポートやクレジットカードのみ落ちないようにポケットに入れておきましょう。

服の中にしまえるのであれば首にかけるケースにパスポートやカードを入れて持ち運びすることは可能です。

駐車スペースは常に観光客の人通りが多いので露骨な車上荒らしはできない場所です。

■トレッキングシューズは必須

足元はサラサラな砂と段差のある岩が中心で、歩きやすいトレッキングシューズが良いでしょう。

■洞窟内は砂ぼこりが舞う

空洞内は砂ぼこりが舞いやすく、マスクをしていると砂塵が予防できます。

靴の中も砂が入るだけでなく、カメラも細かい砂が付きます。

カメラは砂ぼこりになるので探索中の交換レンズの換装は避けるべきです。

■Dixie’s Lower Antelope Canyon Toursのキャンセルポリシーについて

キャンセルポリシーは少々複雑です。前置きとして大人一人当たりの費用は下記となります。

一人55ドルのチケットを購入すると「Navajo Nation Permit Fee 8ドル」、「Tax(税金)」、そして「Online Convenience Fee」の合計66.30ドルの総額が掛かります。

そこに、「Booking Fee」6.50ドルが掛かり、合計一人72.80ドルが総額となります。

オンラインで一度予約をすると、予約日の48時間前にキャンセルの連絡をすれば「チケット代」が全額戻ります。

しかしながら、チケット費用の66.30ドルのみで、「Booking Fee 6.50ドル」は返金不可となります。

Booking Feeとは予約をする際に発生する「手数料」のようなものなので、これはキャンセルすると返金の対象外になります。

また、「予約日の48時間を切ってからのキャンセルの場合は、チケット代金の50%分が戻る可能性がある」とあいまいな表現をしています。

他のツアーガイドも似たような諸費用やキャンセルポリシーがありますが、厳しいツアー会社だと予約したら返金不可もあります。

このツアー会社であればツアー日の48時間前までにキャンセルすれば大部分の費用が返ってくるので、良心的です。

■天気次第ではツアーのキャンセルも起こりえる

雨の場合はツアーがキャンセルになることがあります。

また現地が晴れていても、上流(南側)に雨が降っていれば突然水がなだれ込むことがあり、ツアーが中止になる可能性があります。

ツアー側がキャンした場合は全額返金されます。

■雨の多い月、雨が少ない月は?

最も雨が多い月は9月で、最も少ない時期は6月です。

Page周辺は砂漠地帯で年間通して雨が少なめですが、まとまった雨が降ると水はけが悪く泥水が流れ込んできます。

森があり雨の多い日本は土壌の水はけが良いのに対し、乾燥したPageの大地は固く砂を含んだ泥水は地面に吸収されずに洪水となって低い場所に流れ込んできます。

■念のため、現金でチップの準備を忘れずに

できればチップを用意しておきましょう。

ツアーの終盤に「Gratuity is greatly appreciated. Thank you (チップを歓迎しています、ありがとう!)」という大きな看板があります。

外国人も半分くらいは渡していますが、絶対ではありません。

ただしマナーとして用意しておくことを勧めます。

まとめ

Lower Antelope Canyonは鉄砲水の影響で砂岩が浸食された地下空洞で、階段で地下に降り、段差のある狭い通路を進みながら探索していくため、少し体力が要ります。

砂岩の隙間に水が入り込むことで螺旋状に削られ、横縞模様と本来の砂岩の層が相まり、神秘的な光景が広がっています。

アメリカの先住民ナバホ族の自治領にありますが、もしナバホ族の領土でなければ間違いなく国立公園や自然や地形美の観点から世界自然遺産に認定される可能性を秘めた場所です。

アンテロープ・キャニオンは大変脆く、簡単に傷ついてしまうことと、雨が降ると大変危険なため、ツアーに申し込まないと自力で行くことはできません。

ツアーは事前の予約が必須となりますが、十分に余裕を持って準備をしていきましょう。

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