グランド・キャニオンはアメリカのアリゾナ州にある、深さ1.6km、全長29kmのコロラド川によって浸食された巨大な大峡谷で、この地にある『グランド・キャニオン国立公園』は世界で最も有名な自然型の観光名所です。
毎年世界中から多くの観光客がグランド・キャニオンを訪れ、その美しい峡谷の風景や大自然に魅了されています。
この記事ではグランド・キャニオン国立公園の概要や公園内で出来ること、これから旅行を計画しようとしている方が知りたいモデルコースや、おすすめの観光方法をできる限りわかりやすくまとめております。
グランド・キャニオン国立公園とは?
アリゾナ州北部にある世界で最初に認定された国立公園です。
主な見どころはアリゾナ川の浸食用によって形成された巨大な峡谷の風景で、『リム』と呼ばれる標高2,000メートルにある崖から見渡す大峡谷のパノラマビューを見に世界中からたくさんの観光客が訪れます。
- 1912年2月26日に国立公園として正式登録
- 営業時間は通年24時間(繁忙期は5月~11月)
- 入場料は車1台につき35ドル(購入日から3日間有効)
- 公園内の設備:ビジターセンター、トイレ施設、キャンプサイト、宿泊施設、レストラン、鉄道駅、ギフトショップ
- 気候と気温:(通年乾燥地帯)最低平均気温は-8度、最高平均気温は30度(リム周辺)
- アクセス方法: ラスベガスから車で4時間30分
グランド・キャニオン国立公園の最新情報は『オフィシャルHP』より参照ください。
グランド・キャニオン国立公園は2か所ある
グランド・キャニオン国立公園は2ヵ所あるのをご存じでしょうか?それぞれの名称は『サウス・リム』、そして『ノース・リム』と呼ばれ、アリゾナ川と大峡谷で完全に分断されています。
双方間を移動する場合片道340キロで4時間以上も掛かり、この迂回距離がグランド・キャニオンの大きさを物語っています。
図①の位置関係をご覧の通り、1日でサウス・リムとノース・リムを観光することは極めて困難です。
グランド・キャニオン国立公園に行くならサウス・リムが圧倒的に人気
グランド・キャニオンに行く観光客の9割がサウス・リムを訪れます。サウス・リムには宿泊施設、レストラン、スーパーマーケット、他商業施設、鉄道駅など、観光エリアが充実しています。
また、サウス・リムの隣町の『Tusayan(タサヤン)』に空港があり、ラスベガスやロサンゼルスから空路(小型飛行機)で行くこともできます。
一方、ノース・リムの宿泊施設は1施設のみでサウス・リムとは正反対で物静です。
サウス・リムは通年開園していますが、ノース・リムの冬季期間中は閉園しています。
年間で訪れる観光客は少なく静かな観光を希望している方にはおすすめの場所です。
■ノース・リムの風景
ノース・リムはそもそもエリアが少なくトレイルやビュースポットが限定しているため観光客は少な目です。
標高は約2,400mの高地でサウス・リムよりも高く、森林に囲まれた峡谷の奥には反対側のサウス・リムが見えます。
グランド・キャニオン国立公園サウス・リムは2つにエリアに区分されている
グランド・キャニオン国立公園は主に2つのエリアに分かれています。
- 標高2,000メートルのリムにある『観光エリア』
- トレイルから峡谷深部までの『大峡谷深部エリア』
『観光エリア』では、グランド・キャニオンの風景を一望できるビューエリア、リム沿いを歩ける遊歩道、宿泊施設やレストラン、その他キャンプエリアなどがあります。グランド・キャニオンを訪れる観光客のほとんどがリム沿いを観光します。
一方の『大峡谷深部エリア』は、リムから渓谷深部を含むエリアのことで、『Inner Grand Canyon(インナー・グランド・キャニオン)』と呼ばれています。
トレッキングや峡谷内でキャンプを楽しむエリアです。ほとんどの場所は日帰りで行くことができず、野営の装備が必要で、行く前に事前に届け出が必要なエリアとなっています。
グランド・キャニオン・ビレッジについて
グランド・キャニオン国立公園のサウス・リムの中に『グランド・キャニオン・ビレッジ』があります。主にグランド・キャニオンを訪れる観光客に特化した町です。
国立公園のゲートを越えた先に『グランド・キャニオン・ビレッジ』があります。Route-64が唯一サウス・リムに繋がっている道路で、午前中から夕方にかけては出入りが混雑します。
サウス・リムの最西側エリアにある『Hermit Road(ハーミット・ロード)』は、3月から11月までの時期は一般車両の通行ができず、園内を走るシャトルバスのみアクセスができるようになっています。
ハーミット・ロード沿いにはトレイルやビューポイントが点在していて、出発付近にある駐車場に車を停めてシャトルバスに乗って向かいます。
グランド・キャニオン国立公園で体験できる4つのアクティビティ
グランド・キャニオン国立公園を観光する場合、1泊2日以上の滞在が理想で、日帰りだけでは伝えられない魅力がたくさんあります。
実際に国立公園で体験できるアクティビティを紹介します。
①:サウス・リムから眺めるビューポイント巡り
グランド・キャニオン・ビレッジ側(地図左側)から『Desert View Drive / (Route-64)』沿いはビューポイントが点在し、車やシャトルバスで移動しながら巡ることができます。
国立公園の西側にある『ピマ・ポイント』からDesert View Driveの東側にある『デザート・ビュー・ウォッチタワー』まで、景色の異なるグランド・キャニオンの光景が眺められます。
特に一部を除きDessert Vie Dr沿いに駐車場があり、歩いて簡単に展望エリアに行くことができらようになっています。
ただし、すべてのビューポイントを回ると半日以上の時間が掛かるのでお勧めのビューポイントを一部紹介します。
■グランド・キャニオン・ビレッジ周辺のビューポイント
- Yavapai Point(ヤバパイ・ポイント) - グランド・キャニオン・ビレッジ内にある有名なビューポイント。大峡谷の中心にあり壮大なパノラマ風景が楽しめます。国立公園内に宿泊している場合、日の出でのポイントになります。ただしビューエリアが広いため、多くの観光客で混み合います。
- Mather Point(マーサー・ポイント) - 今にも崩れそうなリムの先端にあるビューポイントで、日の出のスポットとして有名な場所。ビジターセンターの手前にあり、駐車場も多く行きやすい場所です。またYavapai Pointの隣にあるためリム沿いを歩いて行くこともできます。
■ハーミット・ロード(シャトルバスに乗って行けるポイント)
- Mohave Point(モーハブ・ポイント) - 西側にあるビューポイントで西に続くコロラド川と渓谷が良く見えるビューポイント
- Hopi Point (ホピ・ポイント) - リムが他のビューポイントよりも峡谷側に突き出ており、日の出や夕日が見える総合的にお勧めのポイントです。ただし、シャトルバスに乗っていかなければならないため、運行していない場合は自力で歩いて行く必要があります。
- Pima Point (ピマ・ポイント) - 最西端のビューポイントで、深く浸食した峡谷とアリゾナ川を一番近くで見えるポイントです。
■デザート・ビュー・ドライブ沿いにあるビューポイント
- Grandview Point(グランドビュー・ポイント) - グランド・キャニオンの東側とコロラド川の上流を見渡せます。グランド・キャニオンの奥深くまで続く景色を見ることができ、割と観光客が少なく意外と穴場です。
- Moran Point(モラン・ポイント) - 遠近感のある峡谷が特徴の場所です。遠くまで続くコロラド川と深い峡谷のバランスの良い風景が特徴的です。
- Navajo Point(ナバホ・ポイント) - リムを横目に、渓谷の深さが良くわかるポイントです。
- Dessert View Watchtower (デザート・ビュー・ウォッチタワー) - 国立公園最東端にありで石で出来た建物の周辺から見える景色が特徴的です。大渓谷の端から見える景色は格別です。グランドキャニオンの反対側には地平線まで続く砂漠地帯があり、浸食されていない大地と峡谷の差が良くわかる場所です。またビューポイントで一番標高の高い場所(約2,260メートル)です。
②:グランド・キャニオン国立公園の中で宿泊が出来る
国立公園内に宿泊施設がいくつもあり、各施設には食事ができるレストランやギフトショップ、カフェなど、国立公園での滞在を充実させてくれます。
折角グランド・キャニオンに行くなら国立公園の中にあるホテルで宿泊することを推奨します。国立公園内で宿泊すると満天の星空や朝焼けを独り占めできます。
実は国立公園内で宿泊できる場所は少なく、数ある国立公園の中で最も充実しています。グランド・キャニオン国立公園は1912年に認定され、まだ規制が緩かった時代だったため、園内で施設の建設が可能でした。
一方、比較的最近に認定された国立公園は環境の保全のため、施設の建設は必要最低限となっています。国立公園の中にある宿泊施設はBooking.comやホテルズドットコムなどで予約ができず、オフィシャルサイトから予約となります。Yavapai Lodgeは例外です。
■国立公園内にある主要な宿泊施設
- Bright Angel Lodge(ブライト・エンジェル・トレイル入口のリム沿いにあるホテル)
- El Tover Hotel(同じくリム沿いにあるホテル、ブライト・エンジェル・ロッジのすぐ横にある)
- Kachina Lodge(リム沿いにあるホテル、El Tover Hotelと隣接している)
- Thunderbird Lodge(グランド・キャニオン・ビレッジの内側にあるホテル)
- Yavapai Lodge(グランド・キャニオン・ビレッジの内側にあるホテル)
国立公園内で宿泊を検討している場合は下記HPより予約をしてください。
https://www.nps.gov/grca/planyourvisit/lodging.htm ← 国立公園内で宿泊を希望の場合はここから
■国立公園内の宿泊の利点
- 宿泊施設から歩いてすぐにリムに行くことができる
- 時間を気にせず、日の出や夕日に時間を割くことができる
- 夜は国立公園内で満天の星空を見ることができる
- 大自然の中で宿泊できる
③:大峡谷の中に行ける本格的なトレッキングが体験できる
グランド・キャニオンの真骨頂はグランド・キャニオンの深部へ行くことができる『トレッキング』です。コロラド高原のリムから1,000メートル以上もの崖を下りながら峡谷の深部へと進むトレッキングは究極のアクティビティです。
峡谷の中から見る壮大な風景や力強いコロラド川の渓流など、深部に行かなければ体験できないことが多くあります。
ただし、グランド・キャニオンのトレイルは距離が非常に長く、高低差があるため難易度が高い事でも有名です。日帰りで行ける範囲から数日を要するトレイルまであり、グランド・キャニオンのトレイルを歩くことはハイカーにとってもステータスとなっています。
各トレイルのスタート地点には熱中症を警告する看板が立っています。6月中旬から9月上旬の峡谷内は灼熱となり、熱中症の危険が伴うため非常に危険です。体調が悪い、または十分な睡眠がとれていない場合は決して行かないようにしてください。
■日帰りで行ける有名なトレッキング(*日帰り観光ではありません)
- Bright Angel Trail(ブライト・エンジェル・トレイル)でPlateu Point(プラトー・ポイント)まで - 往復約20キロのトレイルでプラトー・ポイントから見る峡谷の深部に流れる迫力あるコロラド川が特徴のポイントです。所要時間:8時間前後
- Rim Trail(リム・トレイル) - リム沿いに沿ったトレイルでSouth Kaibab Trail HeadからHermit Trail Headまでの全長21キロのトレイルです。常に峡谷を見ながら歩くことができ、高低差の無い道となっています。いくつかあるビューポイントと繋がっています。所要時間:15分~5時間
- South Kaibab Trail(サウス・カイバ・トレイル)からSkeleton Pointまで - 往復約10キロの距離で、峡谷の中腹からコロラド川が遠めに見えるポイントです。日帰りでのトレッキングでは比較的簡単な距離と工程です。所要時間:4時間~5時間
- Hermit Trail(ハーミット・トレイル)からDripping Springsまで - 往復11キロのトレッキングで、サウス・リム最西端のトレイルです。距離はそれほどありませんが、砂や岩で足場の悪い急こう配ある道は、上級者でも難しいトレイルです。ハイキング用の靴が必須となります。日帰りのハイキングでは一番難易度の高いトレイルです。所要時間:6時間
- Grand View Trail(グランド・ビュー・トレイル)からCottonwood Creekまで - 往復約15キロの勾配のきついトレイルです。キャンプ道具一式を装備して1泊以上を目的に行くトレイルで、上級者向けのトレイルです。所要時間:9時間
それぞれのトレイルは更に続いていますが、日帰りを目的としている場合はそれ以上先に進んではいけません。上記の目的地はあくまで日帰りで行ける最長の距離となり、少し歩く程度であれば片道1時間くらいの距離を進んだら戻るくらいの感覚でいてください。
たいていのトレイルは峡谷を下るため、帰りは往路の1.5~2倍の時間が掛かることを覚えておいてください。
私は過去に『Bright Angel Trail』を歩き『プラトー・ポイント』まで日帰りのハイキングを体験しました。往復で8時時間以上かかり、かなり大変なトレッキングでした。
ブライト・エンジェル・トレイルを歩きプラトー・ポイントまで行った体験談は【日帰りハイキング】ブライト・エンジェル・トレイルを歩き『プラトー・ポイント』まで行ってみたを参照ください。
④:グランド・キャニオンはすべてのシーンでフォトジェニックな風景を楽しむことができる
グランドキャニオン国立公園はオールシーズン、朝から夜、どのような天候でも最高の風景が広がっています。
■日の出に照らされたグランド・キャニオン
夏でも明け方は寒いですが、空気の澄んだグランド・キャニオンで見る日の出は格別です。しっかりと防寒対策をして日の出を楽しんでください。
■大峡谷と空の壮大な風景
各ビューから見る峡谷の風景は圧巻です。峡谷の先には『ノース・リム』がありますが、15km以上も離れています。さすが世界最大級の峡谷と言われるだけあります。
■夕日に染まるグランド・キャニオン
夕日に染まるグランド・キャニオンも見どころの一つです。宿泊を予定している場合は夕日をゆっくり鑑賞してください。
■雪に覆われたグランド・キャニオン
早ければ11月頃から雪化粧されたグランド・キャニオンの風景を見ることができます。残雪は3月後半まで残っていることが多く、一味違った景色を楽しむことができます。
■今もなお浸食し続けている峡谷の風景
世界中どこを探してもこれだけの浸食された峡谷の光景が見える場所はグランド・キャニオンをおいて他にありません。
■力強いコロラド川の風景
コロラド川は今もグランド・キャニオンを侵食し続けています。そのためコロラド川は茶色く濁っています。
■標高2,000メートルで見る満天の星空
国立公園の中ではどの場所からでも満天の星空を見ることができます。宿泊施設から一歩でも出ると写真のような星空を眺めることができます。
その他のアクティビティ
- フィッシング
- ボートでのコロラド川の渓流下り
- ミュールに乗ってキャニオン渓谷ツアー
- サイクリング
- キャンプ
その他には上記のようなアクティビティもグランド・キャニオンで体験することができますが、国立公園で数日以上の滞在が必要になってきます。長期滞在ではなく1泊2日くらいで検討している場合は、ビューポイントから景色を見たり、少しトレッキングを楽しむ程度かと思います。
グランド・キャニオン国立公園の行き方
グランド・キャニオン国立公園は車で行くことが一般的でレンタカーが充実しているラスベガスから向かうことが多いです。
■ラスベガスから
ラスベガスで宿泊している場所によって出発のルートは異なりますが、まずはグランド・キャニオン国立公園(サウス・リム)方面に行くために、州間道路『I-15』に入ります。出発から1時間40分ほどで途中にある町『Kingsman - キングスマン』を経由します。その後『I-40』に入り、『Williams - ウィリアムズ』の町からRoute-64に入り、北上するとグランド・キャニオン国立公園サウス・リムに辿り着きます。
所要時間は休憩なしで4.5時間掛かりますが、『サウス・リム』までの道のりはまっすぐな道が多く、景色も良いため楽しいドライブになるでしょう。
グランド・キャニオン国立公園を日帰りで行くモデルコースとは?
ラスベガスから出発するグランド・キャニオン国立公園のオプショナルツアーはセスナやマイクロバスで行く日帰りツアーが豊富にありますが、ツアーに参加しなくても日帰りでグランド・キャニオンを観光できます。
ラスベガスを6時過ぎに出発した場合、10時30分~11時頃に着きます。そこから夕方まで観光してラスベガスまで戻るようなイメージで日帰り観光ができます。グランド・キャニオン国立公園の滞在時間は5~6時間くらいとなりますがその間で出来るお勧めのコースを紹介します。
■ビューポイント巡り中心の日帰り観光にフォーカスしたプラン
グランド・キャニオン国立公園の観光の醍醐味となる各ビュースポット巡りにフォーカスした日帰りプランがおすすめです。車で各ビュースポットを巡りながらグランド・キャニオンを楽しめますが、日帰りだからこそ押さえておきたいビュースポットを紹介します。
- ヤパパイポイント(Yavapai Point)- 代表的なパノラマビュー
- マーサーポイント(Mather Point)- 突き出た崖から見る270度のビュー
- モランポイント(Moran Point)- コロラド川が見えるポイント
- リパンポイント(Lipan Point)- 西側のコロラド川と深い谷が見渡せるポイント
- デザートビューポイント(Desert View Point)- グランド・キャニオンの東側のポイント
■全長21㎞に及ぶリム・トレイルを歩く
サウス・リムはリム沿いに『リム・トレイル(Rim Trail)』というSouth Kaibabから西のHermit Pointまで全長21㎞の遊歩道があり、グランド・キャニオンの風景を眺めながら歩くトレイルが日帰りに最適です。
特に『マーサーポイント(Mather Point)』から『ブライト・エンジェル・トレイルヘッド(Bright Angel Trail Head)』間(約4.3㎞/約1時間の所要)は道中にグランド・キャニオンの地層の歴史や知識がわかる看板が点在しているため、歩きながらグランド・キャニオンについて学ぶことができます。
道中は座って景色が眺められるように所々にベンチがあります。このトレイルは高低差もなく舗装されており歩きやすいため初心者や日帰りの観光に最適です。
お勧めのモデルコースは下記の通りです。
- 『ビジターセンター』の駐車場に車を停め、シャトルバスに乗ってBright Angel Trail Headから『Mather Point』へ向かうRim Trailを目指す
お勧めの日帰りモデルコース【まとめ】
上記の内容を踏まえたうえで仮にラスベガスから出発し午前10時30分頃に到着し夕方6時頃まで滞在した場合のおすすめのモデルコースをまとめました。
- ①ビジターセンターに寄り公園内の情報を確認する(約15分から30分/11時頃まで)
- ②早めにキャニオン・ビレッジ内で昼食を取る(1時間/12時頃まで)
- ドライブして一番東側の③Desert View Pointから観光(ドライブで20分/13時頃まで)
- ④Lipan Point → ⑤Moran Point の順に観光(約1時間/14時前後)
- ⑥ギフトショップでお土産&トイレ休憩(30分/14時30分頃まで)
- ⑦ビジターセンターに車を停めてシャトルバス(Village Blue Route)に乗り【Bright Angel Lodge】で下車(約30分/15時頃)
- ⑧Bright Angel Trail Headを出発し、Rim Trailを⑨『Yavapai Point』または⑩『Mather Point』まで歩く(1、2時間/17時頃)
- 『Yavapai Point』または『Mather Point』で夕日鑑賞 *日の入りの時間に併せて
- ⑪ビジターセンターに停めた車に乗ってラスベガスへ(片道4時間30分) → 深夜帯到着
グランド・キャニオン国立公園を観光する上で知っておきたいこと
グランド・キャニオン国立公園に行く前に知っておきたい情報をまとめました。グランド・キャニオンを訪れる際に参考にしてください。
■グランド・キャニオンはどうやってできたか?
アリゾナ川は大昔、国立公園の施設やビューポイントがある大地の高さで流れていましたが、膨大な年月と浸食作用によって1,600メートルもの大地を削り、深い渓谷が形成されました。
現在アリゾナ川は原始生命時代の地層を侵食しています。また、世界遺産にも登録されており、まさに地球の歴史を垣間見ることができる場所として地質学的な観点からも、とても貴重な国立公園です。
■グランド・キャニオン国立公園は『世界遺産』にも登録されている
地球誕生から近年までの折り重なった幾層もの地層が、生物学、地質学に極めて重要な研究対象になることや、大峡谷の美しい景観などの観点から1979年に世界遺産に登録されました。
ここまで大きく深い渓谷は正解中探してもこのグランド・キャニオンのみとなり、それゆえに世界中からこの壮大なパノラマを見ようと多くの観光客が訪れています。
■観光のおすすめの時期は?
おすすめの観光時期は4月から11月中旬です。冬場は雪や氷でハイキングが難しく気温もかなり低くなるため公園内での行動が制限されます。また、先に述べたようにノース・リムの冬季はクローズになるので注意ください。
■お勧めの出発時間と時差
ラスベガスはできる限り早朝に出発しましょう。理想は9時前です。ホテルで早めに朝食を済ませてから出るくらいで良いでしょう。
ネバダ州とアリゾナ州は1時間の時差があります。しかし、アリゾナ州はサマータイムを導入していないため、3月の2週目の日曜日から11月の2週目の日曜日までは2つの州間で時差はなくなります。時差がある場合、ラスベガスが午前9時ならアリゾナ州は午前10時です。覚えておきましょう。
夏に旅行を計画している場合時差は無いため、ラスベガスを8時に出発すればサウス・リムの到着は13時~14時頃です。
■到着したらまずはビジターセンターに寄りましょう
国立公園に入ったらまずはビジターセンターに寄りましょう。ここではサウス・リムの最新の情報を手に入れることだけでなく、安全にグランド・キャニオンを楽しむために必要な、天候や気温、日の入りや日の出の時間、その他アクセスできるトレイルの状況など、現地でしか知りえない情報がたくさんあります。
■ハーミット・ロードは3月から11月まで一般車両は通行止めになる
この時期は定期的に運行している無料のシャトルバスで向かいます。シャトルバス入口付近の駐車場は混雑するため、行く場合は午前中の早めに行くことを勧めます。国立公園に宿泊しているなら翌日の朝に行くと良いです。
■水は常に持って行動しましょう。
熱中症や脱水症状の危険が伴うので行動する際は水を常に携帯しましょう。リムを観光する場合はボトル1本、日帰りのトレッキングをする場合は2リットル以上の水を持って行きましょう。
■国立公園は標高2,000メートル以上の高地にある
国立公園は標高が2,000メートル以上の場所にあります。ノース・リムは2,400メートル付近です。車で行くため標高を感じませんが高山病になりやすい方は到着してすぐの激しい動きは控えましょう。
■朝と夜は冷え込む
国立公園が高地にあるため夏場でも朝と夜は冷え込みます。かさばらない程度で薄手のジャンパーやマフラーなど防寒対策をしましょう。
■宿泊施設は早めに予約すること
グランド・キャニオン国立公園は人気の観光スポットです。行く日程が決まったらまず先に宿泊施設を押さえましょう。宿泊施設が無い場合は隣町の『Tusayan - タサヤン』で宿を探し、それでも見つからない場合は『Williams - ウイリアムズ』で探します。
ノース・リムは宿泊施設が1か所しかなくかなり予約が取りにくいです。半年以上前からでも予約できないことがあります。
■国立公園内の食事は早めにとること
国立公園内は宿泊者が多く、レストランは混み合います。特に夜は混むので早めに食事をするように心がけましょう。17時前にはレストランに入るとその後の行動が楽になります。
■シャトル・バスを積極的に利用しよう
グランド・キャニオン・ビレッジは2種類の無料のシャトルバス(Blue と Orange)が運行しています。上手く組み合わせてキャニオンビレッジ内を周回しているシャトルバスを積極的に活用しましょう。
■日没前後の帰りの道は混み合う
夕日で紅く染まったグランド・キャニオンの風景を見終わった観光客で道路が混み合います。その時間帯の渋滞を避けることは難しいため、公園内で宿泊することでその心配がなくなります。
■あると便利な持ち物
- 日焼け止め、帽子、サングラス
- カメラ、広角から望遠まで出来るタイプ、レンズなど
- ホイッスル(トレッキングをする際の救命音)
グランド・キャニオン国立公園楽しむ為の注意点とは?
グランド・キャニオン国立公園を観光する上で気を付けるべきことをまとめました。
■各ビューポイントの周りは柵がない
各ビューポイントの崖には柵があり安全対策が施されていますが、それ以外の場所には柵が全くありません。グランド・キャニオンでは毎年崖から落ちる事故が発生しています。
近年は観光客がSNSに写真をアップするために崖に近づきすぎて転落し、死亡した事故がありました。当たり前ですが柵の無い崖に近づかないようにしましょう。小さい子供から決して目を離さないようにしてください。
■夏場は熱中症に注意
7月から9月頃までは熱中症に注意してください。標高が2,000メートルある公園内のリムでも夏場の気温は30度以上になります。さらに乾燥しているため脱水や熱中症の危険が伴います。
真夏の峡谷深部は40°以上になるため絶対に行かないでください。毎年たくさんの観光客が熱中症などでレスキューされ何人も亡くなっています。
致命的なのが深部エリアで熱中症になるとレスキュー隊が来るまでに数時間掛かり、間に合わず命を落としてしまうことです。また熱中症になると意識混濁で電話も使えない、そもそも通信が繋がるかすらわかりません。
■トレッキングは一人で絶対に行かないこと
トレッキングをする際は必ずペア以上で行ってください。二人以上で行くことで様々なリスクを減らすことができます。
- 健康なペアが熱中症やケガの応急処置ができる
- 連絡が取りあえる
レスキューや死亡するケースは一人でトレッキングをしたり、過信による事故が圧倒的に多いです。ペア以上で行くことでお互いに助け合うだけでなく、重要な判断もできるようになります。ペア以上で行く場合は一番体力のない方の状態を優先して行動をするように心がけてください。
■公園内の雷に注意
グランド・キャニオンは雷の発生率が高いエリアです。遠くで雷の音や空に黒い雲が出てきたらすぐに建物や車に避難してください。
■運転中は野生のシカやエルクに警戒を
グランド・キャニオンのリム周辺は森林が多く、野生のシカやエルクが道路に飛び出してくるので注意ください。国立公園近くの森林エリアからはスピードの出し過ぎに注意ください。
以前手前で走っていた車に横から飛び込んできたシカと衝突して目の前で車が大破した瞬間を目撃しました。グランド・キャニオンから夕方に帰るときの出来事でしたが、すさまじい光景でした。
■町の手間で常駐しているパトカーに注意!スピードの出し過ぎは厳禁
サウス・リム手前の町『Tusayan - タサヤン』や『Williams - ウイリアムズ』は『Sherrif - 保安官』が乗ったパトロールカーが見張っています。観光客が多いためスピード違反の取り締まりが多いエリアとなります。私も昔近くでスピード違反で捕まったことがあります。急ぐ気持ちを抑えて向かいましょう。
グランド・キャニオン国立公園のQ&A
一部触れている箇所もありますが、一般的にグランド・キャニオン国立公園のQ&Aを紹介します。
■ラスベガスから車で行きたいのですが道路は安全でしょうか?
ラスベガスからサウス・リムまでは片道450キロ、約5時間の道のりです。経路は単純で車線が広い道路を中心に進んでいくため、アメリカの運転に不慣れな方でも目的地に着くことができます。ただし、ラスベガス市内は一方通行が多く出るまでは緊張感があります。
■ガソリンの給油に最適な場所は?
ラスベガスから片道450キロのため、乗用車ではどこかで給油しなければなりません。お勧めは『Williams - ウイリアムズ』で給油するか、またはサウス・リム直前にある『Tusayan - タサヤン』が良いでしょう。
■ラスベガスを朝出た場合、昼食はどうする?
夏の時期で朝9時にラスベガスを出たら14時前にはサウス・リムに着きます。到着してから国立公園内のレストランでランチをする時間がもったいないので、事前に軽食(サンドイッチなど)を買って食べながら行くのがお勧めです。少し早めに出発すればWilliamsの町にあるホームメイド料理が有名な『Pine Country Restaurant』やステーキやハンバーガーが食べられる『Red Raven Restaurant』に立ち寄るのも良いかと思います。
■どのような服装で行けばよい?
日本の四季に合わせた服装で大丈夫です。日本で出発する時の服装で行きましょう。グランド・キャニオン国立公園に行くと夕日や朝日に照らされた風景を見るでしょうから、夏場でも薄手のパーカーくらいは持っていきましょう。
■日の出のお勧めのスポットは?
『Yavapai Point - ヤバパイ・ポイント』は日の出が良く見えるお勧めのポイントです。どの宿泊施設からも行きやすいですが、グランド・キャニオン・ビレッジは広いので車で各ビューポイント手前の駐車場まで行きましょう。日の出の時間帯は混むので早めに行動しましょう。
■ハーミットロードはなぜ車で行くことができないのか?
Hermit Road - ハーミット・ロードは終着地点の『ハーミットレスト』で行き止まり(袋小路)になっているため、一般車両が大量に流れ込むとハーミット・ロードは混雑してしまいます。
そのため3月から11月の期間の一般車両は通行禁止となりシャトルバスが運行しています。冬の限られた時期のみ一般車両も通行できます。
語録
■リム(Rim) - 縁(へり)を表す言葉。グランドキャニオン上部の縁の事を指します。
■ヤーバパイ/ヤバパイ(Yavapai) - 現地インディアン語で『アリゾナ州に住んでいるインディアン』という意味。
■カイバブ(Kaibab) - 現地インディアン語で『横になっている山』という意味。カイバブ高原の大地の事を指す。ノース・リムの大地全般を指し、サウス・リムから眺めたときに平らな山(高原)となっていることから当日のインディアンが『横になっている山』と表現した可能性がある。
■デザート・ビュー・ドライブ(Desert View Drive) - グランド・キャニオン・ビレッジからサウス・リムのイーストエントランスを越え、US-89までの道路の事を指します。グランド・キャニオン・ビレッジからデザート・ビュー・ポイント間には様々なビュースポットやトレイルが点在しています。
■ブライト・エンジェル(Bright Angel) - 探検家のPowellが名付け親で、この地に流れている小川を『シルバークリーク』と名付けようとしたが、泉によって供給される澄んだ小川を讃美歌の歌詞から例え、天使が小川に足を付けている風景をイメージして『Bright Angel Creek』と名付けたことが由来です。
■シェリフ(Sheriff) - 町にいる保安官の事を指します。町の中を走る道路は制限速度25~30マイル(40㎞~50㎞)になります。町を守っている保安官がパトロールカーに乗って見張っています。町を通り抜ける際は制限速度を落としましょう。
まとめ
グランド・キャニオンはアメリカを代表する国立公園です。アリゾナ川によって浸食された美しい光景を見に、毎年多くの観光客が訪れます。観光でグランド・キャニオンに滞在する際は国立公園の中にある宿泊施設に泊まり大自然を味わってください。時間帯によってグランド・キャニオンの見え方や風景が変わります。また標高2,000メートルの高地から見える満天の星空や日の出も人気の理由となっています。
観光客の最も多い夏場は高地にもかかわらず高温となり、毎年多くの方が熱中症になっています。常に水を携帯するように心がけてください。また、リムにあるビューエリアの周辺は柵がない場所が多いため、崖には決して近づかないようにしましょう。
一度訪れたら一生忘れられない思い出になることでしょう。グランド・キャニオンに行き、膨大な年月をかけて出来上がった美しい峡谷のパノラマを体験してください。
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